「失職で出直し選挙」を決断 兵庫・斎藤知事、会見で“涙”も…
パワハラ疑惑などで進退の決断を迫られていた兵庫県の斎藤知事。26日に会見を開き、30日に失職し、出直し選挙に臨むと表明しました。再び県民の支持を得られるのか。会見では涙を見せる場面もありました。
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兵庫県 斎藤元彦知事
「この間、私自身も思い悩んできました。県政にとっても大きな判断です。結論から言うと、不信任決議案を受けて議会の解散はせず、30日付で『失職』する。次期知事選において、出直し選挙に臨ませていただく。その旨を説明させていただきたいと思います」
2時間17分にわたって決断と思いを語った斎藤知事。
兵庫県 斎藤元彦知事
「今回の文書問題について、今の状況を招いたこと、県民の皆さんに改めて心からおわび申し上げたい。私もまだまだ至らないところ、未熟なところがたくさんあったと思う。この6か月間、県政が混乱していたのは認めざるを得ない」
半年前、県の元職員の告発文書をきっかけにあらゆる疑惑が浮上した斎藤知事。兵庫県の議員全員から辞職を要求されても応じず、“知事おろし”は加速。先週、不信任決議案が全会一致で可決され、辞職か、解散か、失職か、29日までに選択を迫られることになりました。
1週間かけて下した決断は「失職」。9月30日付で失職し、出直し選挙に臨みます。
──決断したのはいつ?
兵庫県 斎藤元彦知事
「きのうの朝」
語られたのは、今回の決断を後押ししてくれたという存在でした。
兵庫県 斎藤元彦知事
「きのう、ぶら下がり取材をやらせていただいた時に、終わったあとに高校生が私のところに来られて手紙を渡していただいた」
それは25日の朝のこと。斎藤知事が登庁時の取材に応じ…
兵庫県 斎藤元彦知事(25日)
「どうもありがとうございました」
報道陣の前を去っていくその時、高校生が知事に手紙のような物を渡していました。
兵庫県 斎藤元彦知事
「おしかりの手紙かなと最初思ったんですけど、部屋に帰って読んだら今でも見ると感情的になることもあるんですけど、『辞めないでほしい』と。世間も厳しい目で見ているかもしれないけど、彼としては『負けないで、屈しないで、未来のために頑張ってほしい』。手紙をいただきました。エールをわざわざ届けてくれたので、そこはすごくグッときた」
感情をあらわにした斎藤知事。
兵庫県 斎藤元彦知事
「まだまだ…こんな自分でも期待してくれる人がいるんだということを受け取った。選挙は大変だと思うけど、頑張ってみようと覚悟を決めたことになった」
他の選択肢は考えなかったのでしょうか?
兵庫県 斎藤元彦知事
「辞職・議会解散はよぎらなかったかと言うとよぎった。最終的には、私の中ではないかなと思っていたが、あらゆる可能性を10日間で考えてきた」
──辞職がよぎったのはいつ?
兵庫県 斎藤元彦知事
「うーん…日々、家に帰った時とか、朝起きた時しんどかったですから、職を辞するということもふとよぎったりしましたが、そこはすぐに頑張ろうと思い返したりして、心の中で色んなゆらぎはありました。私も人間ですからふと思うこともあります」
辞職を選ばなかったのは、続投への強い意志が理由でした。
兵庫県 斎藤元彦知事
「知事が、政治家が職を辞するのは重い話ですので、道義的責任含めて指摘あったが、この事態を招いていることで職を辞めることが日本の中では多いが、よくない行為をしたり混乱を招いたが、それを解決するように前に向けて職を続けていくという責任の取り方が私は大事だと思う」
──道義的責任は認めない?
兵庫県 斎藤元彦知事
「繰り返しになると思うけど…」
──そこはクリアに
兵庫県 斎藤元彦知事
「大きな責任があると思う。道義的責任は辞職につながることだと思う。まぁ辞職は、私は今回しなかったので…そういう意味でも私は大きな責任は感じている」
──失礼ながらクリアにとお願いしている
兵庫県 斎藤元彦知事
「質問に対して明確に答えられない時、答えた時ありますが、私としては、私の中で答えられるようにやってきたつもりでいるので」
「失職」を選んだ知事。出直し選挙で当選した場合、新たに4年、知事を務めることができます。
――出直し選挙の勝算は?
兵庫県 斎藤元彦知事
「自分としてベストを尽くす。自分流でできることをやる」
県民はこの決断をどう思ったのか。
兵庫県民
「やっぱり信用できない」
兵庫県民
「(出直し選挙)そうせざるを得なかったのかなって感じはする」
兵庫県 斎藤元彦知事
「私自身もこの3年間で、『雲中、雲を見ず』ではないですが、自らの態度や言動におごりや慢心があったと反省しなきゃいけない。そこは自分としてよくなかったところ」
「失職」を選び、出直し選挙に臨むことになる斎藤知事。県民はどう思っているのか。
兵庫県民
「応援したい気持ちはない。他の人になった方がいいんじゃないかな」
兵庫県民
「応援したくないとかがあるわけでもない」
兵庫県民
「やっぱり信用できない。百条委員会も会見も内容が全然わからない。どうしたいのか、どう今までのことを思っているのかわからない」
兵庫県民
「仕事的にはちゃんとやっていると思う。ただ選挙しても伝わらないと思いますね」
知事選には約18億円の税金がかかることになります。
兵庫県民
「もったいないですね、全部税金ですからね。他に使うことなんぼでもある、困っている人もたくさんいる」
兵庫県 斎藤元彦知事
「決して完璧な人間では全くないので、ミスもあれば過ちもある。今の状況についても私に大きな責任がある。一方で私としては、県政の歩みを3年間の歩みをこれからも続けさせていただきたい強い信念・思いの中でいますので、これから選挙になった時に厳しい戦いになると思いますけど、県民の皆さんにそこを伝えたい」
知事選は失職後50日以内に実施されます。