×

“自民党系”同士が票の奪い合い 立憲vs.維新で“反自民票”も 注目選挙区・東京9区の選挙戦

2024年10月11日 21:04
“自民党系”同士が票の奪い合い 立憲vs.維新で“反自民票”も 注目選挙区・東京9区の選挙戦

政治とカネをめぐってペナルティーを受けた与党系と、政権交代を目指す野党系が入り乱れる、注目選挙区の選挙戦を追いました。

   ◇

11日、都内のビルに入っていったのは、菅原一秀元経済産業相です。今回、東京9区で立候補する意向を固め、支援団体に挨拶まわりを行っていました。

菅原氏といえば、3年前、選挙区の有権者に「祝儀」や「香典」名目の現金を配るなどして有罪が確定。3年間の公民権停止となり、今年7月、公民権が回復。選挙に立候補できるようになったばかりですが…

練馬区の支援者
「ここ何年かは菅原先生、いろいろありましたけど、国会議員になる前からずっと地域のことに関して、我々の話も聞いてくださいますし、(菅原)一秀さんをずっと応援しています」

9日には、自民党への復党も認められた菅原氏。

元経産相 菅原一秀氏
「私自身、地元の祭りや盆踊りに会費を出した、そのことでおとがめを受けました。そのことで私は自ら衆院議員を辞めました。政治家としてやっぱりけじめをつけた」

ただ公認はもらえず、無所属での挑戦となります。

一方、同じ選挙区には自民党に所属する、旧安倍派の今村洋史元衆院議員も立候補予定です。政治資金収支報告書に220万円の不記載があったものの、党からの処分はなし。ところが…

元衆議院議員 今村洋史氏(11日午後)
「青天の霹靂(へきれき)ではあったんですけれども、9日に小泉選対委員長からお電話いただきまして、公認にはならないと」

選挙直前になって、自民党から急きょ非公認を言い渡されました。

無所属 今村洋史氏
「一番残念だったのはこれ(ポスター)ですね。これ、もう使えなくなりました。選挙区での公認をいただいていれば、自民党公認として張れる。無所属だと張れないんです」

発注済みの選挙はがきも、ただの紙切れになってしまったほか、過去に張っていたポスターも、1枚1枚はがしてまわる必要があるといいます。

“自民党系”の候補が、ぶつかることについて聞いてみると…

無所属 今村洋史氏
「1人しか選ばれないっていうところがありますので、互いを思っていても、やはりそこは、胸を借りる形でも戦っていかなきゃいけない」

菅原氏は…

無所属 菅原一秀氏
「どなたかとの戦いではなく、有権者に判断していただく」

   ◇

自民系の2人が票を奪い合う展開となる中…

立憲民主党 山岸一生氏(11日午後)
「私これ、自民党の“裏金劇場”だと呼んでますけど、公認だ、非公認だ、復党だ、勝ったら追加公認だ」

“裏金議員”に乗じた自民党の打ち出しには負けないと意気込むのは、立憲民主党の山岸一生前衆院議員。

立憲民主党 山岸一生氏
「私は、だまされてはいけない。自民党がどんなに“裏金劇場”を盛り上げようとも、そこに国民の姿はない」

さらに…

立憲民主党 野田佳彦代表
「裏金議員が(選挙区に)出てきてるんじゃないですか。ならば有権者がペナルティーを与えるしかありません」

11日、野田代表自ら山岸氏の応援に入るなど、党をあげて勝利に全力を注いでいます。

一方、この選挙区にはもう1人、野党第二党・日本維新の会の大河内茂太氏も挑戦します。

日本維新の会 大河内茂太氏
「政治とカネに関しては、特に政治に関しては、古い部分をとにかく打ち壊して」

今回、与党の過半数割れを目指している立憲の野田代表。そのため小選挙区での野党候補の一本化を模索していますが…

日本維新の会 馬場伸幸代表(3日)
「選挙についてはそれぞれの政党が、独自で努力をして奮闘して1議席でも増やしていくと。そこを協調してやるということは、繰り返し申し上げてきたように考えていませんので」

馬場代表はあくまで「維新として野党第一党を目指す」考えで、東京9区でも立憲と維新の候補が“反自民”の票を奪い合いあう構図となる見込みです。

これに対して山岸氏は…

立憲民主党 山岸一生氏
「各政党に対して野党で力を合わせてくれ、候補者をまとめてくれと、こういう努力をしていただいたということを、僕ら政党側も受け止めて、いま一歩ずつ構図を作っています」

対する大河内氏は…

日本維新の会 大河内茂太氏
「失われた30年を40年にしないという訴えをしてます。自民党さんだけじゃなくて、立憲さんの時代にも消費税が上がっていくと、上がる決定をしてます。そうではなくて第三の選択肢、構造的なしがらみがないから、大きく日本を変えていけるんだと」

与党系も野党系も票を奪い合う選挙区での、勝敗の行方が注目されます。