岸田首相は23日、防衛大学校の卒業式で訓示し、「有事の発生を抑止するため防衛力の抜本的強化を目指す」と強調しました。

岸田首相は、ウイルスやロシアによるウクライナ侵攻など、「世界にとっても激動の4年間だった」と振り返ったうえで、「特に我が国周辺では、核・ミサイルを含む軍備増強が急速に進み、力による一方的な現状変更の圧力が高まっている。我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のなかにある」と指摘しました。

その上で、「平和を維持し、有事の発生を抑止するため、外交力の強化とともに、防衛力の抜本的強化を目指し、安全保障関連3文書にかかげた目標の実現に向け、政府をあげて取り組んでいる」と述べました。

岸田首相は卒業生に対し、「防衛力の強化は、自衛隊の装備を増やし、新しくするだけで実現できるものではない。任務にあたる諸君自身が防衛力の中核であり、諸君の努力が防衛力強化に不可欠だ」と強調しました。

今年、防衛大学校を卒業するのは383人で、このうち自衛官にならず民間企業などに就職する任官辞退者は35人でした。