岸田首相の調整能力に疑問も… 防衛費増額に伴う増税検討巡り 自民党内から異論続出
岸田首相が防衛費の増額に伴い、増税を検討していることを巡り、調整が大詰めを迎えています。自民党内から異論が上がる中、岸田首相の調整能力に疑問の声が上がっています。
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岸田首相は13日朝、自民党役員会に出席し1兆円規模の増税に改めて理解を求めました。この増税を巡っては、閣内からも反発の声が上がっています。
高市経済安保相はツイッターで「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」と、不快感を示しました。さらに西村経済産業相も9日の会見で、「このタイミングで、増税については慎重にあるべきだ」と慎重論を述べていました。
しかし13日、高市経済安保相は、見解が違っていたのは“指示のタイミング”だと説明しました。
高市経済安保相
「安定的な財源が必要であるということは総理と私の認識は違っておりませんでした。ただ見解が違っていたのは、財源検討の指示のタイミングでした」
一方、西村経済産業相は、岸田首相の指示の内容は十分理解しているとした上で、トーンダウンしました。
西村経済産業相
「投資・賃上げを阻害しない。そして“国民全体で負担”という考え方に基づき、バランスの取れた議論が行われることを期待しております」
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法人税の増税は調整が進む一方、難航しているのは「復興特別税」の一部を防衛費に付けかえる案です。この案では「復興特別税」を20年延長し、一部を防衛費に使う案も浮上していますが、自民党内からは13日も異論が続出しています。
自民党 西田昌司議員
「防衛費にあてるなんて話は、それはあり得ない」
自民党 衛藤征士郎議員
「反対です。それは手をつけるべきではありません」
こうした事態に、世耕参院幹事長は「岸田首相と官邸が党内の合意を取るべく努力するべきだ」と発言しました。
自民党 世耕参院幹事長
「党内でコンセンサスをやらなきゃいけないわけですから、それは首相官邸がしっかり努力をされるべきではないかと思います」
自民党内からは「何もかもが稚拙。総理も官邸もどうなっているんだ」、「もっと真剣にちゃんと根回しをしてほしい」との声が上がっています。政府は、週内にも財源問題を決着させたい考えです。