自民党・総裁選 新総裁に岸田氏が選ばれる
自民党の総裁選挙は、決選投票が終わり、新しい総裁に岸田文雄前政調会長が選ばれました。
岸田新総裁は、「ノーサイドだ。全員野球で自民党一丸となって衆院選・参院選に臨む」と意気込みを語りました。
岸田新総裁
「私たちはこれから、衆議院総選挙、そして参院選挙に臨んでいかなければなりません。私たちは生まれ変わった自民党をしっかりと国民の皆さんに示し、支持を訴えていかなければなりません」
全国の党員・党友票は、河野氏が1位、岸田氏が2位、高市氏3位、野田氏4位の順でしたが、議員による投票は、岸田氏が146票で1位、高市氏が114票で2位、河野氏が86票で3位、野田氏が34票で4位となりました。
これを合計し、岸田氏が256票で1位、河野氏が255票で2位、高市氏が188票で3位、野田氏が63票で4位でしたが、過半数に届かなかったため、河野氏と岸田氏の決選投票となりました。
そして、決選投票では議員の381票と、全国の都道府県連の47票の合計で争われ、岸田氏が257票で、河野氏の170票を上回り勝利しました。
事前の取材では、1回目の投票では河野氏が優位との見方もありましたが、なぜ、岸田氏が1位となったのでしょうか。
事前の取材でも、河野陣営から引きはがされる票はありそうだとみていましたが、想定よりも30票以上が、岸田氏や高市氏に流れる結果となり、これは予想外でした。
河野氏の陣営の議員からは「こんなに減ってしまって驚いている」という声が聞かれました。河野氏を支援した議員は、「河野陣営は党員票頼みで、終盤に議員票の取り込みに力を入れてこなかったために、他の陣営に引きはがされてしまった」と分析しました。
また、河野氏が先週、自民党の部会について、「ぎゃーぎゃーやっている」などと軽視するような発言を行ったことで、党内からは「河野は危うい、という空気が一気に広がっている」声が出るほど、河野氏の評判が徐々に下がっていったことも敗因につながりました。
また、党内に強い影響力を持つ安倍前総理が、高市氏を強力に応援していて、自ら電話をかけ、議員票を獲得していったことで、高市氏の票が大きく伸びることになりました。
高市氏の陣営は、河野氏の原発などエネルギー政策に抵抗感が強く、結果的に、決選投票では高市氏らの陣営の票が、多く岸田氏にのったことで、岸田氏の勝利となりました。
岸田新総裁は、午後6時をメドに自民党本部で記者会見を行う予定です。