安倍元総理死去から4か月 迷走する最大派閥「安倍派」後任会長いまだ決まらず…どうなる“跡目争い”
自民党最大派閥「安倍派」は、安倍元総理というリーダーを失い、4か月以上たつ今も後任の会長が決まらず、迷走しています。今後どうなっていくのでしょうか。
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先月31日、安倍元総理の妻・昭恵さんが都内で経営していた居酒屋が、およそ10年の歴史に幕を下ろしました。安倍氏の死去に伴い、地元・山口4区では、来年4月にも補欠選挙が行われる見通しです。
安倍氏の地元の人「安倍さんみたいな人がいてくれたらと」
安倍氏の地元の人「わしは昭恵さんが良いと思う」
動向が注目されましたが、昭恵さんは「出馬はしない」としていて、山口4区の後継者は決まっていません。
昭恵さん(先月15日)「この県民葬が終わると、気が抜けてしまうのではないかと」
さらに、自民党の最大派閥「安倍派」97人の議員を束ねる会長もいまだ不在のままです。
安倍派・塩谷会長代理(先月15日)「しっかり安倍元総理の後を継いでいこうという思いです」
そんな中、派閥の重鎮・下村氏を直撃。混迷する「跡目争い」の裏側について、下村氏は「会長を決めない事を決めた」と苦しい胸の内を明かしたのです。
安倍派・下村会長代理「(会長を)決められないんじゃなくて、今は決めないってことです。今は決めない」
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安倍派に何が起きているのでしょうか?
安倍派の会長選びを巡っては、会長代理の2人のうち、年長の塩谷氏を昇格させる案が最有力とみられていました。ベテラン議員らが推す、いわば「年功序列」の案です。しかし、これに反発したのは「安倍チルドレン」。
「比例復活の塩谷氏では選挙を戦えない」「当選回数が多いだけだ」ーー安倍氏のもとで当選した若手や中堅から、世代交代を望む声が上がったのです。
安倍派・下村会長代理「若手の思いを受け止める必要があるのではないかと私も思いました」
こうした中、浮上したのは松野官房長官や西村経産大臣、世耕参院幹事長ら現役で党や政府の要職を務める、その名も「5人衆」。ライバルでもあるこの5人が協力して派閥を支える「集団指導体制」などのアイデアが生まれました。
ところが、安倍派の参議院議員38人が世耕氏を会長に推すべく結束したのです。世耕氏のほか、それぞれが独自の動きを見せ主導権争いが激化。
また安倍氏の側近・萩生田氏は、いわゆる統一教会との関係が明らかになり厳しい目が向けられました。
結局、たどり着いたのはーー
安倍派・下村会長代理「できるだけ安倍派が割れないで一致結束しまとまっていくことが、我々にとってもプラス、岸田政権にとってもプラスだし、日本の未来にとってもプラス」「決められないじゃなくて、決めないことが逆にいえば、パワーの源である」
安倍派は近く積極財政をテーマにした勉強会を立ち上げる予定です。日本テレビは、その準備会合にも密着しました。
安倍派・積極財政PT 西田昌司座長「安倍さんの派閥で安倍派の人間として志を継いでいって」
安倍氏の志を受け継ぎ、政策の実現に向け存在感を示すのが狙いだといいます。最大派閥・安倍派は、リーダー不在のまま影響力を維持することはできるのか。迷走が続いています。
(news every.サタデー11月19日放送より)