マイナンバーと銀行口座“ひも付け” 政府が「新たな策」検討…対象は 拒否しないと自動的に…?
政府が、年金などの公金受け取りのために自治体が把握している「銀行口座」と「マイナンバー」をひも付けしようとする、新たな策を打ち出そうとしていることが分かりました。一定期間内に「拒否」をしなければ「同意」とみなされ、自動的にひも付けされていくということで、懸念の声も上がっています。政府の狙いや“ひも付け”の対象などについて解説します。
■マイナンバーと自治体把握の銀行口座“自動的”ひも付け? 対象は…
有働由美子キャスター
「『マイナンバーと銀行口座のひも付け』について、政府が新たな策を打ち出そうとしていることが分かりました。年金や児童手当、生活保護などの公金を受け取るために自治体がすでに把握している口座と、マイナンバーをひも付けようというのです。そして、これらの人たちの口座について、もし一定期間内に『拒否』をしなければ『同意』とみなされ、自動的にひも付けされていくということです」
「こうした動きに対し、SNSでは『黙っていたら銀行口座を登録されるのか』あるいは『口座番号がマイナンバーの情報から漏れないか心配』といった声も上がっているのですが、大丈夫なのでしょうか…」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「たしかに不安な気持ちは分かる気もするのですが、対象となるのは、児童手当などの受け取りのために、すでに自治体に口座番号を伝えている人たちだけです。それから、ひも付けるのは給付金を振り込むための口座なので、“残高までの把握はしない”ということです」
有働キャスター
「そもそも、なぜ、国として口座のひも付けを進めていきたいのでしょうか」
小栗委員
「コロナ禍が始まった2020年に10万円の『特別定額給付金』を配布した時、事務作業に手間取り、給付までに時間がかかった人たちもいました。こうした反省から、政府としてはマイナンバーと口座をひも付けることで、公金の支給をスムーズにしていきたいという狙いがあります」
■“抵抗感”ある人も… 専門家「慎重に進めるべき」
有働キャスター
「“拒否をしない限り、自動的にひも付けされる”ことに対して、抵抗感がある人もいますよね」
小栗委員
「そうですよね。その点について、マイナンバー制度に詳しい武蔵大学の庄司昌彦教授は、『“勝手に登録された”という印象を与えると、制度への不信感につながる。慎重に進めるべき』だと指摘しています」
有働キャスター
「廣瀬さんは、これについてどう思いますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「不正受給の防止や、私たちが公金を受け取る手間などを考えると、ひも付けはいいなと思いました。ただ、“自動的にひも付け”するということであれば、なぜやるのか、どうやってやるのかということを改めてきちんと説明してほしいですね」
有働キャスター
「公的給付金をスムーズに届けるためということですが、その部分を誤解のないように、しっかりと伝えてほしいと思います」
(1月12日放送『news zero』より)