BPOが設立20周年記念シンポ開く
BPO(=放送倫理・番組向上機構)が今月1日で設立20周年を迎えたことを受け、都内で記念シンポジウムを開きました。
BPOの大日向雅美理事長は冒頭、「メディア環境は大きく変化している。BPOは設立時の緊張感をもって放送界と視聴者の仲立ちとなるべく励んでいく」とあいさつしました。
シンポジウムではネット・メディアに詳しい国際大学の山口真一准教授が、「放送局が自身の影響力を自覚し、ジェンダーや民族差別などの問題で炎上しないよう予防しなくてはならない」、また、「SNSでの批判から出演者を守る仕組みをさらに構築する必要性がある」と述べました。
これに関連してBPOの曽我部真裕放送人権委員長は「放送局は出演者の身体的・精神的健康に配慮が求められる。このことは民放連の放送実施基準には書かれていない」と指摘しました。
一方、ジェンダー論を研究している東京大学大学院の瀬地山角教授は「ジェンダーについて現状を追認するだけでは批判される。人権感覚を常にアップデートする必要があり、世の中にある“半歩先”を進む事例を取り上げるべきだ」、「報道局の女性職員が増えれば、ニュースの選び方が違ってくるはずだ」、「深夜番組であっても性的な話題はもう取り上げないほうがいい」などとコメントしました。