石破内閣は「厳しい船出」──国民の“納得”は? 支持率、2006年以降ワースト2位 衆院選で“裏金議員”公認どうなる
発足したばかりの石破内閣に対し、国民はどんな目を向けているのでしょうか? NNNと読売新聞の緊急世論調査によると、支持率は51%。厳しい船出と言えそうです。27日投開票の衆議院選挙を前に、石破首相は“裏金問題”の公認問題に直面しています。
藤井貴彦キャスター
「石破内閣の発足を受けてNNNと読売新聞が行った緊急の世論調査(10月1日~2日、全国有権者に電話調査=固定電話438人・回答率52%、携帯電話657人・回答率36%で合計1095人が回答)で、石破内閣の支持率は51%となりました。『支持しない』は32%でした」
「50%を超えているので高いのかと思いきや、なかなかの数字です」
「厳しい船出と言っていいかなと思います。2006年以降の歴代内閣の発足した時の支持率と比べると、岸田内閣(56%)よりも下で、麻生内閣(50%)よりは上。ワースト2位でした」
小栗委員長
「(世論調査で挙がった)支持しない理由については、『自民党中心の政権だから』が24%でトップ。『政策に期待できない』(20%)、『首相が信頼できない』(18%)と続いています」
「さらに、内閣や自民党役員の人事について聞いたところ、『評価しない』と答えた人(43%)が『評価する』と答えた人(35%)を上回る結果となりました」
藤井キャスター
「石破首相は『納得と共感内閣』と名付けましたが、人事の顔ぶれだけを見ると、国民も納得とはいかなかった、ということでしょうか?」
小栗委員長
「そうですね。自民党のベテラン議員からは『本来であれば(支持率は)6割近くに上がるところだが、やはり裏金問題が根強く影響している』という声が聞かれました。そして、10月27日には衆議院選挙の投開票日を迎えます」
「今回の世論調査では次の衆議院選挙の後、『自民党中心の政権の継続』か、『野党中心の政権に交代』か、どちらを望むか質問。『自民党中心』は前回9月の調査より5ポイント上がった53%、『野党中心』は7ポイント下がった29%となりました」
藤井キャスター
「自民党としてはこういう流れが続いている、つまり数字が高いうちに、早く解散総選挙をしたいという気持ちなんでしょうね」
小栗委員長
「ただ、そうした自民党側の論理と私たちの意識にいまズレが生じているのが、いわゆる“裏金議員”の公認問題です。公認されれば、選挙の資金面でもマンパワー面でも党の全面的な支援を受けられるので、候補者にとっては死活問題です」
「石破首相は当初、総裁選の期間中は“裏金議員”を公認しない可能性もにおわせていましたが、これまでの調整で基本的に公認はする方向で進んでいます。というのも、自民党としては既に4月に処分を決めたので、一定のケジメはつけたという考え方です」
小栗委員長
「ただ、自民党の党員・党友への調査でも、『“裏金議員”を公認すべきではない』と答えた人が約半数に上ったこともあり、ハンディをつける案が浮上し、調整が進められています」
「それは公認の条件として『裏金問題について説明を尽くす』とする書面の提出を求めること、また公認しても比例代表との重複立候補は認めないといったものです」
「ただ、重複立候補を認めないということは、小選挙区で負けたら即落選。比例代表で復活という、いわば命綱なしで戦わなくてはいけなくなるので、旧安倍派議員からは『とんでもないことだ』『深刻な党内分断を生むだろう』などと反発の声が上がっています」
「ある自民党の閣僚経験者は『公認問題でつまずいたりすると、一気に内閣支持率が下がりかねない怖さがある』と話していました。石破首相がどう決着をつけるのか、党としての姿勢を見極める材料にもなりそうです」
篠原ともえさん(デザイナー・『news zero』水曜パートナー)
「総理大臣には、国民に寄り添う存在であってほしいと考えています。党内にはさまざまな意見があるとは思いますが、石破首相には、国民の疑問や声に応えてほしいです。私も有権者の1人として、27日の選挙に向けてその姿勢をしっかり見ていきたいと思います」
(10月2日『news zero』より)