自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、東京地検特捜部は19日、安倍派と二階派の事務所に強制捜査に乗り出しました。
収支報告書に記載のない4000万円のキックバックを受けていたとされる谷川弥一衆議院議員の事務所などでは動きは見られませんでした。

19日午前10時頃、東京地検特捜部の捜査官が安倍派の事務所に家宅捜索に入りました。

政治資金規正法違反の疑いで強制捜査を受けた安倍派の「清和政策研究会」では、所属議員の大半が収支報告書に記載のないキックバックを受けていたとみられています。

関係者によりますと1000万円を超えるキックバックを受けていた所属議員は10人以上にのぼり、総額は直近5年間で5億円にのぼるとみられます。

安倍派の中でも、およそ4000万円を超えるキックバックを受け、収支報告書に記載していなかったとみられる長崎3区選出の谷川弥一衆議院議員。

大村市にある事務所では…

（NIB 梅田啓祐記者）
「こちらは谷川議員の事務所。電気はついておらず、きょうは目立った動きはなかった」

施錠されたままで、関係者も日中は姿を見せませんでした。

谷川議員の疑惑に対し支援者には動揺が広がっています。

（島信行会長）
「私を含め後援会のみんなが非常に残念に思っている。（衆議院の）選挙区が変わって谷川議員は長崎3区からの候補じゃなくなるので、最後の最後にこういう事件が起きたのは非常に残念」

取材に応じた谷川議員を長年支援してきた、後援会の島信行会長。

キックバックを受けた金額や使い道など、疑惑について丁寧な説明を求めたいと話します。

（島信行会長）
「一番残念なのは、なんで政治資金規正法の中であの帳簿に記載されなかったかと。今回の分は清和政策研究会の担当者から止められたとか、書かないでいいよと言われたという報道をされているが、その辺が非常に残念。ぜひ説明してほしいと思うがそれはどうなるか本人が決めること」

特捜部は、すでにそれぞれの派閥の事務担当者や、安倍派の議員本人などから任意で話を聞いていますが、今後押収した資料を分析するなどし、さらに詳しく調べるとみられています。