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“じゃこ天騒動”に“ヨーロッパに渡った柑橘”…「グルメ×政治」から見る愛媛の1年

2023年12月6日 18:49
“じゃこ天騒動”に“ヨーロッパに渡った柑橘”…「グルメ×政治」から見る愛媛の1年

今年の愛媛を振り返る「2023えひめ総決算」きょうは、フランスに乗り込んだ柑橘に、“貧乏くさくない”じゃこ天!あれこれと“美味しかった”「愛媛の政治×グルメ」編です。

“貧乏くさい”発言が発端となった「じゃこ天騒動」の顛末

今年、突如として脚光を浴びた「じゃこ天」。その理由は…

秋田県・佐竹知事(10月23日の会合で):
「いいステーキだと思ったら、じゃこ天。貧乏くさい」

秋田県の佐竹知事の「貧乏くさい」発言です。

県民は:
「失礼やなと思いますね、やっぱり愛媛県の名産品なのでそういうのを考えずに言っちゃうのは知事としてどうなのかなと思います」

安岡蒲鉾 道の駅みま店 水口年光さん:
「どういう真意で言ったか分からないですけどちょっと悲しいですね。みんな真面目にやってますので」

佐竹知事は謝罪するも秋田県庁には苦情が殺到。これには愛媛県民も怒り心頭!かと思いきや…

中村知事:
「提案するのは、秋田県のきりたんぽ鍋に入れるともっと美味しいのかなと思います」

愛媛が見せたのは“大人の対応”

話題が話題を呼び、秋田をはじめ全国から、じゃこ天の注文が急増しました。

そして、徐々に融和ムードは進み…。

佐竹知事:
「失礼な言葉を発したにも関わらずきょうこのように四国4県と物産の販売ということで自分なりに反省しつつ感謝を申し上げたい」

中村知事:
「一言冒頭に言いたいのはあんまり気にされんでください。ほんとにみんなお互いの宣伝ができて、結果良しというふうに受け止めていますので、楽しく一緒に手を合わせてやりたい」

東京で四国と秋田の合同特産フェアを開催。中村知事と佐竹知事はがっちり握手して手打ちとなりました。

中村知事:
「昔から存じ上げている方でありますから、その人となりであるとか、そういったことはよく存じ上げておりましたので」

実は中村知事と佐竹知事は、かつて共に市長だったころからの旧知の間柄。

中村知事:
「悪気があったわけではないと思いますので、未来志向で明るくいこうっていうふうなことで対応をさせていただいたところであります」

100年後、愛媛でミカンが採れなくなる!? 暑さにも強い「河内晩柑」を世界へ

愛媛の柑橘について、衝撃の調査結果が発表されました。

100年後、温暖化の影響で愛媛からミカンが採れなくなるというのです。

こうした中、今年ある柑橘に注目が集まりました。

県農林水産部 谷中康太さん:
「同じ香酸系の柑橘でユズが世界的に人気になっていて、フレーバーとして。同じにおいもあってユズと同じような使い方もできるこの河内晩柑であればユズの先、“ネクスト・ユズ”ですね」

比較的暑さにも強い河内晩柑を国外向けの主力品種に。

河内晩柑生産者:
「まさかヨーロッパに行くようになるとは思わんかった」

県と愛南町、それに生産者のチームが乗り込んだのは、グルメ大国・フランス。

河内晩柑を「misho」というブランド名で売り込みます。

知事:
「これがmishoです」

愛南町農業委員会 河野仁会長:
「mishoを作ってます、河野と言います」

そして、訪問の最後にサプライズで中村知事を出迎えたのは、この市場のトップであり、マクロン大統領の盟友、ラヤニ氏。

知事:
「mishoを通じて他へ広がってくるきっかけができればなと思ってますね」
ラヤニ氏:
「魚など他にもおいしい食材が他にもあるならその契約も考えます」
知事:
「ありがとうございます」

実はこの出会いとこの言葉が、後に愛媛のピンチを救うことになります。

中国が日本産水産物の輸入をストップ 「養殖ブリ」の輸出拡大めざして

福島第一原発の処理水放出の影響で、中国が日本からの水産物の輸入をストップ。県産養殖魚への影響も懸念される中…

シェフ:
「今回ブリを食べてもらう中で分かりやすいお刺身、もう一つがカルパッチョ」

またもや美食の都・パリで現地のバイヤーらを招いて、県産の養殖ブリをPRする商談会が開催されました。

レストラン関係者:
「口の中でとけるような食感でみかん味のソースととても合っていたよ」

参加者:
「とても繊細で軽い味わいだね。鮮度がよくわかった」

輸出先の拡大を目指して行われたこの商談会。実は、河内晩柑、mishoのセールスで出会ったラヤニ氏とのコネクションから実現したのです。

ブリ養殖 大塚哲平さん:
「(今回の商談会は)大歓迎で、国内だけじゃ値段も安いし、どんどん海外に需要を求めて売ってもらって値段を上げてもらえれば。魚価をあげてもらわないことにはなかなか経営ができていかない」

ビジネス交流締結がきっかけ!ベトナムのカカオ豆使ったオリジナルチョコが完成

県内で5店舗を経営するスイーツ店に新たな目玉が生まれました。

ベトナムのカカオを使ったオリジナルチョコです。なぜ、ベトナムか?

遡ること去年8月、ラポールの一行はベトナム・ベンチェ省を訪問。

児玉さん:
「あれがカカオの木?」
通訳:
「そうです。カカオの木です」

ベンチェ省の人口は愛媛と同規模の130万人のカカオ豆の有名な生産地。県や地元企業などがベンチェ省とビジネス交流の協定を結んだのです。

今回のチョコは、ベトナムと愛媛の交流で最初の目に見える成果となりました。

パティスリー ラポール 児玉万年さん:
「将来的には、ベトナムと松山を飛行機で結ぶっていう計画もあると思う。ベトナムの方が愛媛に来たり、愛媛の方がベトナムに行った時に手土産として使ってもらえるようになると嬉しい」

競り人:
「150万円!150!」

今年もまた最高値を更新した愛媛ミカンに。

愛媛の鮮魚を新鮮な状態で、物流問題を克服する航空会社の実証実験。

そして、夢の高級かんきつ紅プリンセス。2024年も愛媛の食を全国、世界へ。

それを陰で支える政治にも注目です。

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