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【令和5年の皇室~“再開”進む年に】~宮内庁担当

2023年1月1日 8:00
【令和5年の皇室~“再開”進む年に】~宮内庁担当
写真提供 宮内庁
天皇皇后両陛下は3年ぶりに地方訪問を再開。即位後初めての外国訪問として、エリザベス女王の葬儀が行われたイギリスを訪問されました。令和5年は、3年ぶりに一般参賀が実施されるなど、さらに行事が再開されていくことになります。皇室の1年を振り返りながら、新しい年の展望を考えます。
(社会部 笛吹雅子

■両陛下のご活動「再開」

2022(令和4)年の皇室の活動は、天皇皇后両陛下による新年ビデオメッセージで始まりました。コロナ禍で実施が見送られた新年一般参賀での天皇陛下のお言葉に代わるもので、前年に続いて2回目です。

陛下は「新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まり、皆さんと再び直接お会いできる日が来ることを心待ちにしています」と述べ、「本年が、皆さんにとって、明るい希望と夢を持って歩みを進めていくことのできる良い年となることを、心から願っています」と語りかけられました。

皇后さまは「今年が、皆様にとって少しでも穏やかで、実り豊かな年となりますよう、心からお祈りしております」とメッセージを締めくくられました。

2022年は、両陛下にとって「再開」の年となりました。コロナ禍で控えていた地方への訪問が3年ぶりに再開され、「国民体育大会」で栃木県、「美ら島おきなわ文化祭」で本土復帰50周年を迎えた沖縄県、「全国豊かな海づくり大会」で兵庫県を訪問し、感染対策に気遣いつつ多くの人々と交流されました。

人が集まって密にならないよう、訪問される場所や時間は事前に知らされませんでしたが、両陛下に気付いた人たちが沿道に立ち始め、その数はどんどん増えていきました。

同行する記者は車列の後ろの方のバスから付いていくので、手を振る両陛下の車が通り過ぎた直後の沿道の人たちの表情がよく見えます。子どもを連れた家族が多い印象で、皆、顔が上気して笑顔になり、このひとときを「特別な体験」と感じているのが分かりました。

皇后さまは、大勢の人に笑顔で迎えられたことを「想像以上に嬉(うれ)しく、有り難いことでした」と振り返られましたが、両陛下は移動中、誰より間近に長く人々の表情をご覧になっているのだろうと思われます。

西村宮内庁長官は、2023年のご活動について「できるだけ現地に足を運ばれる方針」と話しています。

両陛下の即位後初の外国訪問は、亡くなったイギリスのエリザベス女王との悲しい別れとなりましたが、今後、外国訪問も再開されていく見込みです。5月に予定されているチャールズ国王の戴冠式は、どのような招待が届くかがまだ分からないということですが、イギリス王室との長い交流などを踏まえ、皇室からのご出席も考えられます。

また、両陛下は、6月9日に結婚後30年の「パール婚」を迎えられます。前例では、結婚30年にあたっては記者会見など特別な行事は行われていませんが、皇后さまが皇室に入り新たな歩みを始められた1993年6月9日を振り返りつつ、晴れやかな報道も増えそうです。

■愛子さま 学業を優先しつつ公務へ

2022年3月の両陛下の長女、愛子さまの成年を迎えた記者会見は、これまで愛子さまを折りに触れ取材してきた私たち記者にとっても新鮮な驚きとなりました。手元の紙に目を落とすことなく、一人一人の目を見ながら語る姿は誠実で穏やかで、自身でよく考えて言葉を練られたことが分かるやり取りでした。

2023年の春には、学習院大学文学部日本語日本文学科の4年生になられます。学業を優先しつつ公務にも取り組み、新年一般参賀への初めての出席など、これからの活動にさらに目が注がれることになりそうです。

■上皇さま 2023年に“卒寿”に~上皇后さまと穏やかな日々

上皇ご夫妻は、33年あまりを過ごした思い出の赤坂御用地に住まいを移されました。記録の確かな天皇の中で最長寿の上皇さまは、2023年12月に90歳の卒寿を迎えられます。三尖(さんせん)弁閉鎖不全による右心不全と診断され、投薬治療などを続けられていましたが、その後改善され、運動量も増えているということです。

上皇后さまと規則正しく穏やかな日々を過ごし、魚類の研究やチェロのレッスンも続けられています。

■多忙な秋篠宮ご一家~佳子さまは公務の“願い出”増え

様々な行事が再開され、秋篠宮ご夫妻は多忙な日々を送られています。ご一家はこれまで仮住まいでしたが、2年半にわたる秋篠宮邸の改修工事が終わり、新年の行事が落ち着いてから少しずつ荷物を運び入れ、引っ越しをされる予定です。

筑波大学附属高校1年生の長男・悠仁さまは、バドミントン部に所属し、お住まいでは引き続き、稲作や野菜作りにも励まれています。トンボの生息環境の調査など、興味のあることをさらに深められているご様子です。

二女の佳子さまは、結婚した姉の小室眞子さんのあとを継ぐ形で、日本工芸会の総裁や日本テニス協会の名誉総裁を務め、全日本ろうあ連盟で非常勤の嘱託職員として勤務されています。活動の幅を広げられていて、佳子さまをお願いしたいという公務の「願い出」も増えていると聞いています。

■“皇室SNS”など情報発信強化は?

宮内庁が令和5年度に向けて、情報発信強化のための増員を要求し、SNSの活用も検討していくと発表したことが話題となりました。

小室眞子さんの結婚発表で、一部の報道やインターネットの書き込みが原因で「複雑性PTSD」と診断されたと説明があり、誤った情報やバッシングなどへの対応とともに、広報の強化をどうするかが切実な検討課題となっています。

秋篠宮さまが会見で言及されたように、外国王室の多くはWEBサイトとSNSでの情報発信を取り入れていて、宮内庁長官は「SNSはデメリットもかなり大きいと思うので、慎重に考えたい」という姿勢をみせていますが、今後、皇室の情報発信の研究や検討が進められていくことになります。

■さらなる交流機会の増加へ~令和ならではのご活動模索

新型コロナウイルスの影響が続く中、令和の皇室のご活動は模索が続いてきました。2月23日の天皇誕生日の一般参賀は、陛下の即位後初となります。新年と天皇誕生日の一般参賀は宮殿東庭に入る人数を減らし、人と人との間隔は1メートル以上。これまでの一般参賀とは印象が違うものですが、外国訪問、地方訪問に続いての「再開」です。

今後、感染対策を工夫しながら交流の機会を増やし、令和ならではのご活動がさらに進められる年になりそうです。