【解説】被災地に雪 “ブルーシートで落雪”・地震で斜面弱体化…新たな危険性は
■インフラ復旧進む被災地 “雪で停電”の危険性は…
藤井貴彦キャスター
「防災科学技術研究所では、雪が降っている被災地に、このような呼びかけを行っています。まず『停電』ですね。そして『道路の亀裂などが見えなくなる』、さらに『ブルーシートをかけた家からの落雪』、さらに『雪崩・土砂災害』、こうした注意を呼びかけています。まずは『停電』についてお伺いします。石川県では停電の復旧作業が進んでいる状況ですが、大雪によってどんな影響が考えられますか?」
上石勲・特別研究員
「はい。今たくさん雪が降っていまして、それが木に降ってその木が折れたり、あと電線に雪が付いて、電線が重たくなって切れるとか、そういう影響があると思います。あとは電柱も傾いていますので、そこにまた雪が積もることで、電柱も倒れやすくなっているようなことが予想されます」
藤井キャスター
「被災者の方がこの停電について、注意できることはあるのでしょうか」
上石特別研究員
「そうですね。皆さん、停電に対する備えをたくさんされていると思うのですが、それを再確認していただければいいかなと思います」
■深刻な住宅被害ゆえに…“ブルーシートで落雪”注意
藤井キャスター
「そして『道路の亀裂が見えない』というのは先ほどの中継でもお伝えしました。足元に十分注意していただきたいところなんですが、『ブルーシートからの落雪』については、どんな注意が必要なのでしょうか」
上石特別研究員
「応急処置として屋根の上にブルーシートを敷いている方もたくさんいると思うのですが、ブルーシートを敷いた方がツルツルしているので、雪が滑りやすいということで、その雪が落ちる、落雪による被害があるかもしれないということだと思います」
藤井キャスター
「これは普通の瓦屋根であるよりも、雪が滑って落ちやすい可能性が高くなるということなのでしょうか」
上石特別研究員
「おっしゃる通りです。その可能性が強くなります」
藤井キャスター
「そのブルーシートがかけられている地域がたくさんあると思いますので、この後、夜に向かって雪が積もっていきますと、落雪…つまり、屋根のそばを歩かないということも大切なのでしょうか」
上石特別研究員
「そうですね。そういう危険な箇所、足元だけではなくて上方にも注意をしていただいて、さらに落雪しそうな場所については、ロープを張るなどして歩行者が入らないような注意喚起をしていただくのも手かなと思います」
■地震で斜面弱体化 雪降りやんだ後も注意 雪崩・土砂災害…
藤井キャスター
「そして4つ目ですが『雪崩や土砂災害への警戒』。これはどういうことなんですか」
上石特別研究員
「斜面災害によって、本来雪をおさえていた樹木がなくなったりして、さらに土砂災害とプラスアルファで雪崩も起きやすくなっている可能性が強いので、そういう場所には近づかないことが大事かなと思います」
藤井キャスター
「この雪というのは一見、水分を含んでいるけれども、雪から水分が地面に浸透するとは考えにくいと思うのですが、実際には雪から水分が地面に入っていくのでしょうか」
上石特別研究員
「おっしゃる通りでございまして、雪が解けるとその水が土砂の中に入り込んで、さらに土砂が崩れやすくなるということで、土砂災害と雪崩と両方起きやすくなるということが考えられます」
藤井キャスター
「近くの住民の皆さんだけでなく、土砂崩れの既に起こっている現場を通過する皆さんもぜひご注意いただきたいと思います」