派閥の組織的関与は? 安倍派・二階派に強制捜査 公明党が“痛烈批判”も…
議員たちに向けられている“裏金疑惑”は実態解明に向かうのか。19日、東京地検特捜部が自民党の安倍派と二階派の事務所に強制捜査に入りました。
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ついに強制捜査が行われました。
記者(東京・千代田区、19日午後1時すぎ)
「安倍派の事務所前ですが、多くの報道陣がいます」
自民党・安倍派の事務所前には、報道陣が詰めかけていました。そこから歩いて1分半ほどのところには、二階派の事務所があります。
記者(東京・千代田区、19日午後1時すぎ)
「二階派の事務所前にも多くの報道陣がいます」
目と鼻の先に事務所を構える安倍派と二階派。19日、東京地検特捜部による家宅捜索が同時に行われました。
パーティー券を巡る問題の実態解明は進むのか。まず、最大派閥「安倍派」の疑惑です。関係者によると、99人にのぼる所属議員の大半が収支報告書に記載のないキックバックを受けていたとみられ、その総額は直近5年間で5億円にのぼるとみられています。
派閥の幹部で、「安倍派5人衆」と呼ばれる松野前官房長官、西村前経済産業相、萩生田政調会長、高木国対委員長、世耕参議院幹事長の5人。このうち2人が19日、カメラの前に姿を現しました。
強制捜査が始まる直前、自民党本部の役員会に萩生田政調会長と高木事務総長が出席しました。そして午前10時、家宅捜索が始まった頃に会議は終了。一斉に記者に囲まれた高木事務総長は――
――安倍派の事務所に家宅捜索が入ったようですが?
“裏金疑惑”1000万円超 高木事務総長
「そうですか、まだ聞いていませんが」
その後――
“裏金疑惑”1000万円超 高木事務総長
「あのー…ほんとにあのー、誠に申し訳ない。このような事態になったことをおわび申し上げます。しっかりと捜査に協力させていただきます」
謝罪を述べた一方で、質問には――
――(不記載を)指示したという記憶は?
“裏金疑惑”1000万円超 高木事務総長
「あの…捜査の途中でございますし…」
言葉を濁しました。
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一方、強制捜査の日をどこで迎えたのか。松野前官房長官の地元の事務所には報道陣が集まっていましたが、朝から動きはなく、本人の姿はありませんでした。
姿をとらえることができなかった松野前官房長官、世耕参議院幹事長、西村前経済産業相の3人。世耕氏は12月14日に参院幹事長の座について辞表を提出していましたが、19日に正式に了承されました。
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続いて二階派の疑惑についてです。関係者によると、キックバックについては派閥側と議員側、双方の収支報告書に記載があるものの、直近5年間でノルマを超えた収入1億円あまりを記載していなかったとみられます。
19日に記者から追及されたのは、二階派で現職の大臣を務めている小泉法相と自見地方創生相の2人です。
――ご自身キックバック受けたことは?
自民党・二階派 自見地方創生相
「ございません」
――大臣として、お立場をどうするのか、進退どうするのか?
自民党・二階派 小泉法相
「様々な状況を踏まえて、私と政策集団との関わりについては、適時、適切に判断していきたい」
岸田首相は2人の大臣について、「引き続き職責を果たして欲しい」と続投させる考えを示しました。
岸田首相
「党としても強い危機感を持って、国民の信頼回復に努めなければならない」
国民の信頼が揺らいでいる自民党。同じ与党の公明党は18日に動画を投稿しました。動画では、「最近、自民党、不祥事多いですよね?」との問いかけに、山口代表が「多すぎます。同じ穴のむじなとは見られたくないです」と自民党を痛烈に批判していました。
公明党 山口代表(19日)
「公明党の厳しい認識と意気込みをお伝えしたかった」
19日の家宅捜索は終えたとみられる特捜部。今後、押収した資料などを分析し、派閥の組織的な関与がなかったかなど、実態を詳しく調べるものとみられます。