女性の自殺 理由「子育ての悩み」など「家庭内の問題」が増加
新型コロナウイルスの流行後、増加している女性の自殺について、宮崎大学などの研究チームが調べたところ、「子育ての悩み」や「夫婦の不和」など「家庭内の問題」が理由の自殺が増えていることがわかりました。
新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年、国内で自殺した人は2万1081人で、特に女性の自殺が増えています。
宮崎大学などの研究チームは、新型コロナの流行が日本でおきた2020年1月から2021年5月までの自殺者2万9938人のうち、理由がわかっている2万1027人について、その理由を調査分析しました。
その結果、男性は「失業」が42.9%、「仕事疲れ」が34.1%、「孤独感」が25%増えていました。
一方、女性で増加しているのは、「子育ての悩み」が40%、「夫婦関係の不和」が39.1%、「介護・看病疲れ」が25%と、「家庭内の問題」が目立ち、男女で理由が大きく異なることも明らかになりました。
研究グループは、コロナ禍で家で過ごす時間が増え、育児や介護など女性の負担が増えているのではないかとして「性別ごとに適切な自殺予防対策や心理的ストレス軽減につながる社会的対応が求められる」と指摘しています。