“まん延防止”全面解除で期待 居酒屋「前向きに営業続けたい」
東京・神奈川など18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が21日で全面解除され、各地で期待が高まっています。「常連客も離れてしまった」という東京・新宿の居酒屋は、解除を受け、「前向きに営業を続けたい」と、店を再開しました。
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全長180メートルの桜並木がまもなく見頃を迎える、東京と神奈川にまたがる遊園地・よみうりランド。東京・神奈川など、18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が21日で全面解除されたのに合わせて、22日から、上限2万人としてきた入場制限をなくしました。
午後になると、あいにくの雪にも見舞われましたが、「少し羽を広げられるかなと」と、制限のない1日を満喫する来園者もいました。
よみうりランド営業部長 内田雅音さん
「お客様としては、スムーズにご入園できるようになりましたが、引き続き、感染防止対策を徹底していかなければならないと」
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まん延防止等重点措置は、1月8日以来、約2か月半ぶりに全国で適用地域がなくなり、各地で期待が高まっています。
神奈川・横浜市の観光名所・横浜中華街では22日、この寒さに熱々の豚まんを求めるお客さんの姿がありました。
江戸清 齊藤智行副店長
「やっとというか。ようやくと言ったらいいか。これ(まん延防止等重点措置解除)を機に、中華街に多くのお客様が来てくれるのを祈っています」
そして、まん延防止等重点措置の対象ではなかった鳥取県でも、期待の声が上がりました。
「きょうは静岡県から来ました。(まん延防止等重点措置期間中は) なかなか外に出られなかったので、 密になりすぎないように気をつけて楽しんでいます」
鳥取砂丘には早速、まん延防止等重点措置が解除された地域からの観光客の姿がありました。県をまたいでの旅行がしやすくなったことで、今後ますます観光客が増えると期待しています。
現在、甲子園球場で行われている春のセンバツ高校野球大会では、これまで2万人だった入場者数の上限を、兵庫県によるまん延防止等重点措置解除に合わせ、22日から撤廃しました。
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22日、東京都で新たに3533人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。19日連続で前の週の同じ曜日の人数を下回りました。
東京都の小池百合子知事は22日、「基本的な対応策、これをぜひ実施し続けていただきたいと思います。自分を守るということになります」と、改めて基本的な感染対策の徹底を求めるとともに、22日から来月24日までを、東京都独自の「リバウンド警戒期間」にするとしました。飲食店への時短要請は解除しますが、1グループ4人まで2時間以内の利用とするなど協力を求めています。
東京・新宿で40年以上営業を続けてきた居酒屋「池林房」は、まん延防止等重点措置を受け、今年1月から休業していましたが、22日から店を再開することを決断しました。午後5時の開店時間を迎えると、久しぶりのお客さんに、ホッと安心していました。店の今後に関しては――
池林房 太田篤哉オーナー
「(店の)体力も落ちていますね。ちょっと大変ですね、借金も…ちゃんと返せるかどうか心配ですね」
こちらの店は、コロナ禍に営業資金として借金をして、「常連客も離れてしまった」といいます。それでも、今回の解除をきっかけに「前向きに営業を続けたいと考えるようになった」ということです。