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「絶対許さない」母親が究明訴え 部活で悪質“いじめ”…高校生死亡

2024年2月21日 21:26
「絶対許さない」母親が究明訴え 部活で悪質“いじめ”…高校生死亡

17歳の男子高校生が部活動の上級生に悪質ないじめを受けたあと、自ら命を絶ちました。21日、男子高校生の母親が会見し、「死を選ばざるを得なかった原因を明らかにしてほしい」と原因究明を訴えました。



剣道が大好きだったという侑大さん。写真ひとつひとつに、母親が手書きのメッセージを添えています。

侑大さんの母親(50代)
「私にとっては、本当に自慢の息子です」

まだ17歳の息子は、なぜ自ら命を絶ったのか。

侑大さんの母親(50代)
「いじめ自体は、いじめとはいえないくらいひどいものだったと。侑大がされたことについては絶対許さない」

侑大さんは幼い頃から剣道に打ち込み、剣道部の特待生として東海大学付属福岡高校に進学しました。

剣道部に入部し、寮生活を送ること2か月。突然、母の元に戻ってきました。

侑大さん
「死にたいけど、死ねんかった」

“上級生からいじめを受けた”と、母親に涙ながらに訴えたのです。

その後、監督が上級生を指導すると約束し、侑大さんは母親にこう伝えたといいます。

侑大さん
「おれ頑張るけん、黙って見とって」

しかし、いじめの被害を告白してから約1年半後の2021年3月。侑大さんはいじめを訴える遺書を残して自ら命を絶ちました。

侑大さんの母親(50代)
「俺、大丈夫っていう発信は大丈夫じゃないねって。何も知らなかった自分が…つらいです」

高校が設置した第三者委員会の調査で明らかになったのは、悪質ないじめの実態でした。『粘着テープで顔をぐるぐる巻きにされた』『部室の畳に体を貼り付けられ性的な被害を受けた』『こうした行為を動画に撮られSNSで拡散される』など、上級生らから受けた10件の行為を「いじめ」と認定。

さらに、上級生を指導すると約束した監督は、事実関係すら学校に報告せず、侑大さんに暴言を浴びせたり、無視したりしていたことも明らかになりました。

高校は20日、いじめがあったと認めて謝罪した一方で、“自殺の直接的な原因は特定できない”としています。

侑大さんの母親(50代)
「侑大が自ら死を選んでしまったのは、ひどいいじめを受けたこと、顧問の厳しい対応があったこと、大好きな剣道ができなくなっていったから。死を選ばざるを得なかった原因について明らかにしていただきたい」

母親は福岡県に対し、学校側とは別に調査を行うよう求めています。

厚生労働省や自殺の防止活動に取り組む専門家などは、悩みを抱えていたら自分だけで解決しようとしないで、専門の相談員に相談してほしいと呼びかけています。

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