命絶った高校生…母「苦しかったねって…言ってあげられたら」 上級生からの悪質“いじめ” 部活顧問の「暴言」も…高校が謝罪
17歳の男子高校生。いじめを訴えその後、自ら命を絶ちました。男子高校生が通っていた高校が20日に会見し、悪質ないじめの内容や部活の顧問による暴言など、不適切な指導を認め謝罪しました。
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カメラに向かってほほえむのは、高校生の侑大さん。17歳という若さで自ら命を絶ちました。
侑大さんの母親
「侑大がなんで突然いなくなって命を絶ったか最初、分からなかったんですよね」
3年前(2021年)の3月、「外で課題してくる」と言って自宅を出たのが最後の姿となりました。
幼いころから剣道に打ち込んでいた侑大さんは2019年4月、東海大学付属福岡高校に進学し剣道部に入部。親元を離れ寮生活になりました。しかし、入部から2か月後、突然帰宅し「死にたいけど、死ねんかった」と、母親に上級生からいじめを受けたと涙ながらに訴えました。
その後、当時の顧問が上級生への指導を約束したことなどから、自宅から通うことにした上で剣道部にとどまることにしました。
しかし、2021年3月…
侑大さんの母親
「警察から電話がかかってきて、侑大くんらしき人が見つかっているので確認お願いしますと。最初はもう…何も言葉も出なくて」
いじめを訴える遺書を残して自殺したということです。
侑大さんの死後、明らかになったのは悪質ないじめの数々でした。
学校が設置した第三者委員会の調査報告書によると、『粘着テープで顔をぐるぐる巻きにされた』『部室の畳に体を貼り付けられ、性的な被害を受けた』『こうした行為を動画に撮られ、SNSで拡散される』など剣道部の上級生らから受けた行為、あわせて10項目をいじめと認定しました。
さらに、生徒を守る立場のはずの顧問からも不適切な指導があったといいます。侑大さんを無視したほか、暴言を浴びせるなどしていたというのです。
ただ、第三者委員会は、いじめや顧問の不適切指導のほかにも自殺に至った理由は考えられるとして、直接的な原因は特定できないと結論付けています。
20日、会見を開いた高校は…
東海大学付属福岡高校 津山憲司校長
「深くおわび申しあげます」
いじめがあったことを認め、謝罪しました。
さらに顧問の不適切指導については…
東海大学付属福岡高校 津山憲司校長
「部活動のことは部活動内で解決する形で、学校として適切な対応ができなかった」
侑大さんの母親
「苦しかったねって、剣道やめていいよって、学校に行かなくていいよって言ってあげられたら…。剣道なんて、学校なんてどうでもいいのにって」
学校側の会見を受けて侑大さんの遺族は21日、会見を開く予定です。
■辛い方へ「心の重荷」相談を 『厚生労働省 まもろうよ こころ』で検索
有働由美子キャスター
「あまりにも悪質ないじめに顧問も無視していたという話を聞いて、信じられない、しんどい思いになっている人がいると思います。みなさんの周りにもつらい思いをしている人がいるかもしれません」
「『厚生労働省 まもろうよ こころ』で検索すると、電話やアプリなどを使ってあなたの悩みに寄り添う相談窓口を紹介しています。いろいろな方法で少しでも心の重荷を下ろしてほしいと思います」
(2月20日放送『news zero』より)