「水俣病」大阪地裁の原告128人全員への賠償命じる判決に不服…国が控訴
水俣病と認定されておらず救済から漏れた原告128人全員を患者と認め賠償を命じた大阪地裁の判決をめぐり、国はこれを不服として10日午後、控訴したことを明らかにしました。
この裁判は、熊本県や鹿児島県に生まれて関西などに移り住み水俣病の最終的な解決をうたった「水俣病特別措置法」の救済から漏れた原告が、国や熊本県、原因企業の「チッソ」に損害賠償を求めたもので、先月27日に大阪地裁が原告128人全員を水俣病と認め、賠償を命じる判決を言い渡していたものです。
控訴の期限が11日に迫る中、さきほど国は判決を不服として10日午後、大阪高裁に控訴したこと明らかにしました。
理由について、先の大阪地裁の判決がWHO=世界保健機関が公表している発症の閾値を下回る濃度でも水俣病の発症を認めている点などが国際的な知見や最高裁で確定した過去の判決の内容と大きく相違するためなどとしています。
判決をめぐっては、原告側は被害者の早期救済を訴え、控訴を断念するよう求めていましたが、チッソも今月4日に控訴していました。