「危険運転致死傷罪」見直しに向け遺族らが要望書 “数値基準導入”が焦点に
飲酒運転やひき逃げ事故で家族を失った遺族らが、先月31日、鈴木法相を訪問し、「危険運転致死傷罪」を適用する要件の見直しに向けて要望書を出しました。
「危険運転致死傷罪」をめぐっては、法定速度を大幅に超えた運転や、飲酒運転などでの適用のハードルが高いとの声があり、鈴木法相は、今月10日の法制審議会で要件の見直しに向けて諮問すると表明しています。
これまでの法務省の検討会では、飲酒運転での呼気のアルコール度数や高速度での運転について、一定の数値基準を設けることなどが提言されており、法制審では数値基準を設けるかどうかが議論の焦点になります。
これについて先月31日、交通事故の遺族らが鈴木法相を訪問して要望書を提出しました。この中で、数値基準を設けた場合の問題点として、「数値基準が下回った場合に危険運転致死傷罪の適用を前提とした捜査をしてもらえなくなる可能性があるなどと指摘しました。
面会後、遺族らは飲酒運転について、「『過失』ではなく『故意』による犯罪」だと訴えたうえで、「飲酒運転は数値にかかわらず危険運転致死傷罪が適用できるよう法改正をしてほしい」としています。