福島原発3号機 汚染水が一時、海に流出
東日本大震災の発生から11日で2か月がたった。しかし、福島第一原子力発電所の3号機で、新たな高濃度の放射性物質を含む汚染水の流出が確認されるなど、原子炉圧力容器の安定化へのメドは依然として立っていない。
「東京電力」は11日、福島第一原発3号機で、「ピット」と呼ばれるコンクリート製の立て坑に、放射性物質を含む水が新たに流れ込んでいるのを確認したと発表した。放射性物質の拡散を防ぐ「シルトフェンス」の外側の放射性セシウムの数値は通常の1万8000倍となっていて、この汚染水は、海にも流出していたという。
東京電力によると、ピットへの汚染水の流入は11日午後7時前に止まったということだが、経産省の原子力安全・保安院は東京電力に対し、再発防止を指示した。
3号機をめぐっては、今月に入って圧力容器の温度が上昇しており、圧力容器の上部の温度は11日朝の時点で215℃と、1号機より100℃も高くなっている。東京電力では、より確実に注水が行えるよう、配水管を切り替える準備を進めるなどしているが、圧力容器の状況はいまだ安定していない。
東京電力は、震災から2か月たった現在の状況について、安定化に向けて進んでいる1号機とそれ以外で差がついていると分析している。