×

福島第一原発内部の映像入手 4号機は初

2011年6月15日 19:06
福島第一原発内部の映像入手 4号機は初

 福島第一原子力発電所の事故で、NNNは、原発関係者が今月初旬に撮影した内部の映像を入手した。そこには、原子炉建屋の内部など、緊迫した現場の様子が映し出されていた。

 3号機の映像では、関係者が2か月前に撮った写真と比べると、むき出しの鉄骨の下にある青い壁の色がはげ落ちているのがわかる。雨や海風で風化が進んでいるとみられる。今も復旧作業に携わる作業員は、この映像を見て「だいぶ(建屋が)崩れてきているんじゃないかな。(上から)コンクリート片が落ちてくるかもしれないのに、何も配慮もない」と話した。

 3号機周辺のガレキからは、施設内で最も高い放射線量が検出されているが、作業員は放射能に加え、こうした建屋が崩れる危険にもさらされていることになる。

 4号機内部の動画が公になるのは初めてで、原子炉建屋の中を映した映像では、水素爆発の影響なのか、大きな機材の搬入口の壁が外側に膨らむようにゆがんでいる様子が映っていた。

 また、建屋の内部には、鉄骨の足場が組まれ、「安全週間」と標語が書かれた幕があった。まだ新しく、事故後に張られたとみられる。足場は高さ20メートルあたりにも組まれていて、その上に冷却作業が続く使用済み燃料プールがあるとみられる。「東京電力」は5月31日、東日本大震災の余震による使用済み燃料プールの崩壊を防ぐため、「6月中旬以降に補強資材を使用済み燃料プールの底部に備え付けるべく準備工事をしている」と発表しており、足場はその工事のために設置されたとみられる。

 関係者は、放射性物質を含む汚染水を移送している集中廃棄物処理施設の中で、最も汚染水をためられるプロセス主建屋も撮影した。入り口には「1時間で160ミリシーベルトの放射線量」と書かれている。これは、2時間で作業員の上限を超えるレベルとなる。汚染水により高濃度の放射線量が検出されている内部では、奥に進むと、むき出しの赤い配管があった。汚染水を運ぶ配管であれば、高い放射線が出ている可能性があり、関係者はすぐにその場を離れた。