「九州電力」のやらせメール問題を受けて経産省が行った調査で、監督官庁がやらせをしていた疑いが出てきた。経産省の原子力安全・保安院から「中部電力」に対し、原子力発電所関連のシンポジウムで反対派の質問だけにならないよう要請があったことを、中部電力が明らかにした。

　問題となっているのは、０７年に国が静岡・御前崎市で開いた原発に関するシンポジウム。中部電力は２９日の会見で、原子力安全・保安院から、反対派の質問だけになるのを避けるため、事前に質問を作成して住民に発言させるよう要請されたことを明らかにした。中部電力はコンプライアンス上、問題があると判断し、要請を断ったという。

　海江田経産相は「仮に、国が特定の意見表明を誘導していたと、そういう事実があれば、経産省を預かる者として大変申し訳なく思います」と述べ、第三者による委員会を設置して調査する考えを示した。

　また、「四国電力」が０６年のシンポジウムで、事前に質問を用意した他、原子力安全・保安院の要請で参加者を集めていたということで、第三者委員会が詳しく調べる方針。