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“紅麹問題” 死者4人に 影響拡大「自主回収」相次ぐ 株主からの厳しい声…社長は“涙”も

2024年3月29日 6:15
“紅麹問題” 死者4人に 影響拡大「自主回収」相次ぐ 株主からの厳しい声…社長は“涙”も

ファミリーマートの「チャーハン」や日本生協連の「餃子」に、小林製薬の「紅麹原料」が含まれていたことがわかり、自主回収が発表されました。影響拡大が続くなか、もっと早く対応できなかったのか、株主からも追及の声が――。

28日午後5時ごろ、小林製薬の担当者が厚生労働省に姿を見せました。

――亡くなられた方も出ています。あらためて、どう受け止めている?

小林製薬の担当者
「それは残念なことというか、きちんと真摯(しんし)に対応したいと思っておりますので。そのためにも、きょう、きちっとお話しさせてもらおうと思いますので」

今後、対応をどうするか、専門家に説明する会議へ向かいました。

摂取後に“健康被害”が相次いで報告されている、小林製薬の“紅麹原料”を含むサプリメント。

28日、小林製薬は新たに2人の死亡を発表。“紅麹問題”で亡くなった人は、合わせて4人となりました。

さらに、台湾メディアによると、台湾でも70代の女性が、小林製薬の「紅麹原料」を使って台湾のメーカーが製造しているサプリメントを摂取し、去年3月、急性腎不全を発症していたことが、28日、新たにわかりました。

28日、大阪市で開かれた小林製薬の株主総会では、株主から厳しい指摘が…。

小林製薬の株主
「どんな話もなにも、管理責任だよ、これは。これが一番問題だね。2か月以上、調べている、調べているって言ってもさ」

小林製薬の株主
「早く原因がわかって…安心させてほしいなと」

“完全非公開”で行われた、株主総会。
中では、こんなやりとりが…。

小林製薬側
「成分がどんな影響があるのか、今後、解明していきたい」

株主
「(死者は)まだ増えるのか!」

小林製薬側
「原因を探っているところです」

株主
「“製品と死亡の因果関係が確認できない”というが、どういう気持ちで発言できるのか!」

最後には、社長が涙を流す場面もあったといいます。

株主総会終了後、株主の1人は…

小林製薬の株主
「認識が甘い。“経営責任どうとるんですか”と聞いているのに、対策やりますわと。その後のことについては…社長も会長もやめる気ない」

影響は広がり続けています。

ファミリーマートでは、小林製薬の「紅麹原料」が含まれていたことがわかったとして、次の3商品を自主回収。

・「ビビンバ炒飯&サムギョプサル」
・「わかめと玉子のクッパ風スープ」
・「キムチチャーハン」

日本生協連も、次の2商品を回収すると発表しました。

・「CO・OP 水いらず!うす皮の肉餃子 12個入(192g)」
・「CO・OP チルド肉餃子 12個入(192g)」

これらの商品に、健康被害の原因とみられる、“想定しない成分”は含まれていないということですが、「原因が明らかになるまで、安全確保に万全を期すため」だということです。

では、“想定しない成分”とは、なんなのか――?

小林製薬と共同で「紅麹」のゲノム解析を行っていた、奈良先端科学技術大学院大学の金谷重彦教授は、「小林製薬の紅麹自体には毒性のある『シトリニン』を作る遺伝子が存在しない」と強調したうえで、次のように話しました。

小林製薬と「紅麹」ゲノム解析 奈良先端科学技術大学院大学 金谷重彦教授
「最近になってから(培養に)失敗しているというのは、多分このあたりで、“何か違うカビ”が培養タンクに入ってきたんじゃないかとか、そういうことも疑わなきゃいけないのかなと思います」

金谷教授は、タンク内に別の菌が誤って混入し、その菌も培養されやすい環境だったために、人体に影響を与えた可能性があるとの見方を示しました。


(3月28日放送『news zero』より)