「女性として社会生活を送る法的利益が制約されている」 トイレの使用制限で性同一性障害の経産省職員が処遇改善求める 最高裁弁論
性同一性障害の経済産業省職員が職場の女性用トイレの使用を制限されたとして処遇の改善などを求めた裁判で最高裁は16日弁論を開き、職員側は「女性として社会生活を送る法的利益が制約されている」と訴えました。
この裁判は、戸籍上は男性であるものの性同一性障害と診断されて女性として生活する経産省職員が、職場の女性用トイレの使用を制限されたとして処遇の改善などを求めているものです。
1審の東京地裁はトイレの使用制限を違法と認めた一方、2審の東京高裁は、裁量権の範囲内だとして違法ではないと判断していました。
16日最高裁で開かれた弁論で職員側は「女性として社会生活を送る重要な法的利益が制約されている」と主張しました。一方、国側は「判断当時、性自認に従ったトイレの自由な使用を認めるべきとの社会的な広い理解が存在したとはいえない」と反論しました。
この裁判では、最高裁が結論を変えるのに必要な手続きである弁論が開かれたことから使用制限を違法ではないとした2審の判断が見直される可能性があります。
判決は来月11日に言い渡されますが、最高裁が性的マイノリティーの人の職場環境について判断するのは初めてです。