新潟知事「規制庁に疑問符」拡散予測修正で

原子力規制委員会が29日、放射能の拡散シミュレーションに入力ミスがあったとして修正したことを受け、原発を抱える自治体からは不満や戸惑いの声が上がっている。
原子力規制委員会が当初、公表した拡散シミュレーションは、柏崎刈羽、東海第二、志賀、敦賀、玄海、川内の6つの原発で、気象データの入力ミスにより放射性物質が拡散する方角などに誤りがあることがわかり、29日に修正版が公表された。
柏崎刈羽原発では、高い放射線量が想定される最大距離が、原発から東南東に40.2キロ離れた新潟・魚沼市から東方向の新潟・長岡市に修正されたほか、新たに新潟・見附市でも防災指針の目安となる30キロ圏をこえて放射性物質が広がる可能性が示された。
柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事は30日、「原子力規制庁が信頼に足る組織かどうかということに疑問符がつきかねない事態ということだと思っています」と述べた。
原子力規制庁は2週間以内に再発防止策をまとめる方針。