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最高裁、アスベスト被害“国に責任”初判断

2014年10月9日 18:21
最高裁、アスベスト被害“国に責任”初判断

 大阪・泉南地域のアスベスト被害をめぐる裁判で、最高裁は9日、アスベスト規制の遅れについて国の責任を認める初めての判断を示した。

 この裁判は、大阪・泉南地域のアスベスト工場の元従業員や遺族らが、アスベストで肺がんなどの健康被害が生じたのは国の規制が遅れたことに責任があるとして国に損害賠償を求めたもの。9日の判決で、最高裁は「国は1958年ごろ以降、出来る限り速やかにアスベスト工場に排気装置の設置を義務づけるべきだった」として、国の規制の遅れを認めた。

 この判決により、原告89人のうち82人に対し、損害賠償の支払いが認められることになった。アスベスト被害をめぐり、最高裁が国の責任を認めたのは初めて。

 判決を受け、塩崎厚労相は「国の責任が認められたことは重く受け止めている。原告には誠に申し訳ない」と話した。