神宮外苑再開発 日本イコモスが改めて事業見直し求める 事業者の樹木保全見直し案で
東京の明治神宮外苑の再開発をめぐり、日本イコモス国内委員会は、事業者が示した樹木保全の見直し案について、樹木の生態系に配慮していないなどとして、改めて計画の見直しを訴えました。
東京の明治神宮外苑の再開発をめぐっては、樹木の伐採に対して、周辺住民などから反対する声があがっていて、事業者代表の三井不動産は今月9日、伐採する樹木の本数を120本あまり減らすなどの樹木保全の見直し案を公表しました。
「都市の森の破壊」として事業の見直しを求めている日本イコモス国内委員会は24日、東京都庁で会見をひらき、樹木保全計画などについて改めて見直しを求めました。
事業者の見直し案で伐採としていた樹木の一部を「移植」に変更したことに対して、どこに移植するのか移植先の詳細を明らかにすることを求めたほか、「樹木の質や生態系のまとまりに配慮していない」として、神宮外苑地区の現地において、事業者および東京都とともに公開説明会を開催し、樹木の状況などを議論したいと訴えました。
また、神宮外苑のシンボルである4列のイチョウ並木については、現在のまま保存することが決まっていますが、周辺に高層ビルを新設するなどの大規模再開発によって、ヒートアイランド現象が増大し、イチョウ並木へ負荷がかかるとして、樹木の下の水の循環やビル風、日照など、どのような影響が生じるのか検討が必要だとしています。
一方、三井不動産は今月28日に新宿区と港区の住民と事業者約600人を対象とした住民説明会を開催し、見直し案について直接、説明するとしています。