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砂の中から“日本最古級”銅鐸7点 兵庫

2015年5月19日 21:48
砂の中から“日本最古級”銅鐸7点 兵庫

 兵庫県南あわじ市で、日本最古級のものを含む銅鐸(どうたく)7点が見つかった。国宝級ともみられる大発見が見つかったのは、意外な場所だった。

 南あわじ市にある石材メーカーの工場で先月、副工場長の西田さんが砂を選別するため運ぼうとしたところ、異変に気づいた。砂の中から出てきたのは「銅鐸」。最初に西田さんが発見したのは2000年以上前に作られた日本最古級の貴重なもので、舌(ぜつ)と呼ばれる音を鳴らす部品も残っていた。

 砂は南あわじ市内の田畑から集められたもので、まだ大量に残っていた。そこで、市の文化財担当者が2週間にわたって砂の選別作業に立ち会うことに。すると、次々に砂の中から銅鐸が現れた。

 最終的に、銅鐸の数は7点になった。長年、埋もれていたことを示すように、びっしりと土が詰まっているものもある。一つの場所から見つかった数では、全国で4番目に多いという。

 銅鐸は、稲作が伝わった弥生時代、祭りに使われた神聖な道具。神話で有名な出雲の国(現在の島根県)で最も多く見つかっている。淡路島ではこれまでにも銅鐸が発見されていて、今回のものを合わせると20点を超える。古事記に残る「国生み神話」では、日本で最初に生まれた島が淡路島だといわれていて、古い銅鐸は神話の世界を彷彿(ほうふつ)とさせる。

 兵庫県などでは今後、元々埋められていた場所を探すとともに、専門家に依頼して銅鐸の科学的な分析を進めたいとしている。