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生活保護引き下げ訴訟 受給者側の訴えを退ける 那覇地裁

2023年12月14日 17:51

国が生活保護の基準額を引き下げたのは違法だとして、沖縄県那覇市の生活保護受給者が、市による保護費の減額処分の取り消しを求めた裁判で、那覇地裁は、受給者側の訴えを退けました。

この裁判は、国が2013年から段階的に生活保護のうち、食費や光熱費などに充てる「生活扶助」の基準額を平均で6.5パーセント引き下げたのは、生存権を保障した憲法や生活保護法に違反するとして、那覇市の受給者6人が、国の基準に合わせて保護費を減額した市の処分の取り消しを求めたものです。

14日の判決で、那覇地裁は、「保護基準改定をする旨の厚生労働大臣の判断が、その有する裁量権の範囲から逸脱し、又はこれをらん用したものであると認められるとはいえない」などとして、原告である受給者側の訴えを退けました。

生活保護費の基準額引き下げを巡る裁判は全国各地で起こされ、各地裁の判断は分かれてきました。

先月30日には名古屋高裁が原告である受給者側の請求を退けた一審判決を取り消し初めて国の賠償責任を認めたことからこの日の那覇地裁の判断が注目されていました。