無償提供にリメーク料理…「おせちの活用」
キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。4日は、「おせちの活用」をテーマに日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。
■残ったおせちを無償提供
お正月におせちを囲む様子は、あたたかい家庭を思い浮かべさせてくれるが、誰もが用意できるというものでもない。
障害者施設やホームレスの支援団体などに、おせちを配っているNPO法人が愛知県名古屋市にあった。
「セカンドハーベスト名古屋」では、まだ食べられるのにもかかわらず、捨てられてしまう予定の食品を企業から譲ってもらい、生活に困っている人たちに無償で提供している。
去年の大みそかには、食品メーカーなどから、売れずに残ったおせち料理、約1.1トン分を引き取って、訪れた施設の人たちなどに配った。
セカンドハーベスト名古屋・山内大輔理事「生活に困っている人たちは心に余裕がない。その余裕がない中で、お正月らしいおせち料理を食べることで、心の安らぎを得る、ほっと一息つける、そういう瞬間を提供できているのではないかなと思う」
メーカーで売れ残り、捨てることになってはもったいないし、それが人のために活用されているのは良いことではないだろうか。
■おせち料理で残るもの…3品は?
家庭でも残ってしまうことがある、この「おせち」。「おせち料理で最後まで残ってしまうものは?」というアンケート(SUUMOなんでもランキング)では、1位が「黒豆」で16.8%、2位が「田作り」で9.6%、3位が「なます」で7.5%という結果になったという。
お正月のせっかくのごちそうで、定番のこれらの料理。黒豆には「まめに元気に働けますように」という意味合いなどもあることから、残して捨ててしまうといったことは避けたいものだ。
■「おせち」を洋風料理にアレンジ
残りがちな3品を上手においしく食べきるための方法「おせちリメーク術」を、料理研究家の堀江ひろ子さんに教えてもらった。
1.田作りのカレーピラフ…かたい田作りをやわらかくして食べやすく!
<材料>田作り…1/2カップ程度
米…2合(180cc×2)
顆粒コンソメ…小さじ2.5杯
カレー粉…小さじ1杯
ミックスベジタブル(冷凍)…1カップ強
バター…大さじ1杯
<作り方>(1)炊飯器の中に、洗った米、通常の量の水、顆粒コンソメ、カレー粉を入れる。
(2)(1)に田作りと冷凍のままのミックスベジタブルを入れて、炊飯器で炊く。
(3)炊きあがったらバターを加えて、混ぜて完成。
2.黒豆のパンケーキ…黒豆の甘みとチーズの塩気でおいしく!
<材料>(2~3枚分)
黒豆…1/2カップ程度
ホットケーキミックス…150g
牛乳…3/4カップ
プロセスチーズ…50g程度
<作り方>(1)ホットケーキミックスに牛乳を加えて混ぜた後で、黒豆とサイの目に切ったチーズを混ぜる。
(2)温めたフライパンかホットプレートで両面焼いたら完成。
3.なますのタルタルソース…鮭のムニエルなどフライにかけても、ハムなどと一緒にパンに挟んでサンドイッチにしてもおいしくいただけます。
<材料>なます…大さじ4程度
ゆで卵…1/2個
マヨネーズ…大さじ2杯
牛乳…少々(お好みで)
<作り方>(1)なますとゆで卵は粗みじん切りにする。
(2)(1)にマヨネーズを加えて混ぜれば完成。(かたいようであれば、お好みで少し牛乳を加えても良い)
■感謝して、いただく
きょうのポイントは「感謝して、いただく」。おせちは、年の初めの日本を代表する伝統的な食文化。ひと手間加えるだけで、残さず飽きずに最後まで食べきることができる。「おせち」という大事な食文化を子どもたちの代に引き継いでいくためにも、感謝して、最後まで工夫していただきたい。