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北朝鮮核実験 被爆地・広島で怒りの声

2016年9月9日 22:12
北朝鮮核実験 被爆地・広島で怒りの声

 北朝鮮が核実験を行ったことをうけ、被爆地・広島では怒りの声があがっている。

 北朝鮮が5回目の核実験を行ったという知らせは、広島にも届いた。街の人からは、「ちょっと許しがたいことですよね」「そういうことは世界的に慎むべき。使ったら終わり」などの声が聞かれた。

 韓国軍によると、日本時間の9日午前9時半ごろ、北朝鮮北東部で人工的な地震が確認された。

 日本政府は、揺れについて北朝鮮の核実験によるものと断定し、新たな制裁などの検討を進めている。

 今年1月に核実験をした北朝鮮は、このところ相次いで弾道ミサイルも発射している。一連の暴走に被爆者団体からは怒りの声があがった。

 広島県被団協・坪井直理事長「一瞬ね、夢であってほしいというか、間違いであってほしいと思う。しかしそうじゃない。今回のことが残念でならないし、許せない」

 一方、広島市の松井市長は、全ての核兵器を廃棄することや国際社会との対話を求めることなどを盛り込んだ抗議文を、北朝鮮などにあてて、9日付で送付することを決めた。

 広島市・松井一実市長「核抑止力の信奉者である為政者が、少なくとも、もうこれ以上増えないように、国際社会全体でやっていく必要がある」

 また、広島県の湯崎知事もコメントを発表。核実験は、核廃絶に向けた国際的な機運の高まりに水を差すものだと北朝鮮を非難した。

 専門家は、今回の実験は、あくまで国家の力を誇示するためとみている。

 広島市立大学 広島平和研究所・水本和実副所長「実際に戦闘で使うためのものを作るというよりも、メッセージ性の方が高いと思う。アメリカに匹敵する力を持っているんだ、だから交渉に応じなさいと」

 地球上で最後の核実験が行われてからの日数を示す監視時計。再びゼロに戻された。

 原爆資料館・志賀賢治館長「最もやりたくない仕事。ぜひともここに来て、実際に使ったとき、そのきのこ雲の下で何が起きるのか、それを知ってほしい」

 核廃絶への願いを無視した北朝鮮の暴走。被爆地・広島は、落胆と怒りに包まれた。