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埼玉県が「彩湖」強烈アピール、都に直談判

2016年10月28日 2:40
埼玉県が「彩湖」強烈アピール、都に直談判

 見直しが検討されている東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌー会場について、「彩湖」での開催を求める埼玉県が27日、“整備費が安く済む”と東京都に直談判した。

 東京都庁には日々、多くの訪問者が訪れる。27日午後、やってきたのは埼玉県の塩川副知事。カヌー競技を“彩湖で開催してほしい”と直談判に訪れたのだ。

 埼玉県・塩川修副知事「彩湖をぜひともというお願いにあがりました」

 果たして、アピールは伝わるのか。会場見直しにより、宮城県の「長沼ボート場」、埼玉県の「彩湖」が名乗りをあげているボート・カヌー会場。「彩湖」をめぐっては、小池知事の発言をきっかけに、ひともんちゃくあった。

 東京都・小池百合子知事(今月14日)「先方も意欲があって初めて、選択肢になり得るのではないかと。(埼玉県の)上田知事からは『十分です』というお話を頂いております」

 埼玉県・上田清司知事(今月14日)「とんでもない話ですよ。辞退というのは(東京都から)話があってからの話でしょ。何にもないのに辞退なんてのはおかしいわな」

 闘志に火が付いたのか──。ここから上田知事の“彩湖アピール”が始まった。

 埼玉県・上田清司知事(今月18日)「やっぱり選択肢の中の1つに彩湖も考えていただきたい。まさに“通えるエリア”、“気象条件がいい”」(今月19日)「彩湖は彩湖で長所もたくさんあります」

 ところが先週、東京都の調査チームが明らかにした会場の選択肢は、「海の森水上競技場」を恒久的な施設、または仮設の施設として建設する案。そして、宮城県の「長沼ボート場」に変更する案だった。「彩湖」は、大雨や渇水の際の調整池の役割があるとして選択肢に入っていなかった。

 こうした中行われた27日の直談判。対応にあたった東京都の山本副知事は、少し話しにくそうだった。

 東京都・山本隆副知事「彩湖につきましても、えーまぁ、いろいろな課題、国交省との関係であったり、そういった課題があるということはお聞きをしているところでございますが」

 対する埼玉県は、強く訴える。

 埼玉県・塩川修副知事「(整備費)266億円という数字を入れさせていただいております。どうかひとつ、小池都知事によろしくお願いしたいと思っています」

 「彩湖」は都内の選手村から約20キロメートルと、約360キロメートルの宮城県の「長沼ボート場」より選手村からの距離が近い。さらに具体的なコース案も示し、整備費が266億円と、約330億円かかるとされる「海の森水上競技場」より60億円ほども安く抑えられるとアピールした。

 都の結論に彩湖は入るのか、小池知事は月内にも判断するとしている。