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15万2千人に影響…高崎線で運転見合わせ

2016年11月4日 20:04

 始発から約10時間にわたって運転を見合わせていたJR高崎線は、4日午後3時前にようやく運転を再開した。トラブルの原因はネズミの可能性があるという。

 JR東日本によると4日午前4時半すぎ、高崎線の運行システムにエラーが発生し、列車の位置などが把握できない状態になった。このため、高崎~東京間のJR高崎線全線と前橋~小田原を結ぶ湘南新宿ラインが、始発から運転見合わせとなった。この影響で沿線の駅では通勤通学の時間帯に電車に乗れない乗客で混雑し、バスやタクシーの乗り場には行列ができた。

 トラブルの原因は、埼玉県の北上尾駅構内にある通信用の光ファイバーケーブルが損傷したためで、ケーブルはシリコン製の保護チューブに覆われていたが、16本すべてが切れていたという。警察によると、ケーブルをネズミなどの動物がかじった可能性があるという。通信ケーブルは金属製のボックスの中にある状態だったが、ボックスの床部分には通信ケーブルを通すために穴を開けていて、小動物の侵入対策は特にとっていなかったという。

 また、ケーブルの損傷は午前10時半前に復旧したが、JR東日本がシステムを動かそうとしたところ、高崎線の宮原駅、桶川駅、北本駅、鴻巣駅、吹上駅の5か所で信号装置のトラブルが新たに発生したためその後も運転見合わせが続いた。これは、大量のデータが一気に流れたため、データの処理速度が追いつかなくなったことが原因とみられている。

 4日の1日で66本の列車が運休となり、15万2000人に影響が出たという。JR東日本は同様の通信ケーブルを利用している100か所を今日中に緊急点検を実施する方針。