宮内庁・西村次長「陛下の公務減は難しい」
宮内庁の西村次長は7日の定例会見で「天皇陛下の公務を大幅に減らすことは難しい」と宮内庁としての見解を明らかにした。
宮内庁の西村泰彦次長は7日、定例会見で「天皇陛下の活動についての現状を国民に正しく理解していただきたい」と前置きして陛下の公務が増えている客観的背景を説明した。
まず、国事行為である「認証官任命式」については、2001年に「副大臣」のポストが新設されたことや大使の数が増えたことから近年増加していて、陛下は副大臣だけで新たに545人を認証されたと説明した。
また冷戦終結後、国連加盟国が著しく増加したことなどにより外国の要人を接遇する機会も増えたと説明している。さらに、国際関係の緊密化による外国訪問の増加や戦後50年など節目に応じた「戦没者慰霊の旅」、自然災害の増加による被災地見舞いなど両陛下の国内外のご訪問の数が増えている背景も説明した。
西村次長はこれらの客観的状況により「公務は必然的に増えている」とし、さらに8月8日に公表された陛下のお気持ちもふまえて、「現時点でご公務を大幅に減らすことは難しく、現時点として検討していない」と宮内庁としての見解を示した。
ただ、現在行われている政府の有識者会議は有識者が判断するもので、「宮内庁はそこには関与しない」と立場を説明している。