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【AI】東京マラソン、2020への活用法

2017年2月21日 17:11
【AI】東京マラソン、2020への活用法

■フィニッシュ地点、東京駅に変更

 今回で11回目となる東京マラソンが今月26日に開催される。今年からコースが変更となり、フィニッシュ地点が東京ビッグサイトから東京駅になった。フィニッシュ地点を、よりみんなになじみのある場所にするためだという。

 実は世界のマラソンを見ると、フィニッシュ地点は観光名所が多い。イギリスのロンドンマラソンはバッキンガム宮殿、フランスのパリマラソンは凱旋門、オーストラリアのシドニーマラソンはオペラハウスと、いわゆる観光名所が並んでいる。

 こうしてみると、たしかに東京ビッグサイトはあまり知られていないかもしれない。こうした背景もあり、今回からフィニッシュ地点が東京駅に変わるが、課題もある。


■フィニッシュ地点変更の課題

 今までより、多くの観客が集まることが予想される上に、東京駅は多くの人が電車などを利用することから警備が大変となる。これだけ人が多く集まる所では、テロの発生も懸念されている。

 2013年には、アメリカのボストンマラソンで沿道に仕掛けられた爆弾で3人が死亡、260人以上がケガをした。ボストンマラソンをきっかけに東京マラソンではテロ対策を強化していて、これまでも警視庁がランナーと一緒に走りながら警備する「ランニングポリス」を導入するなどしてきた。


■警備強化に「民間の力」

 ただ、これだけ大規模なイベントとなると、警察だけではなく民間の力も活用することが大事になってきている。

 警視庁の警備部の担当者は「民間ができることは民間、警察がすることは警察と、お互いが補完し合うパートナーとして連携するようになってきている」と話している。

 警視庁は今年から新たに民間企業と協力して、フィニッシュ地点近くのビルの屋上からカメラを搭載した小型気球を飛ばし、約70メートルの高さから全方位を監視することにしている。


■東京マラソンにAI?

 主催者側もテロを未然に防ぐために、今回から沿道の防犯カメラやSNSなどの情報を集めることにしている。将来的にはこうした情報をAI(=人工知能)で解析し、自動で不審物や不審者を検知することにつなげたい考えだ。

 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてもAIを活用した技術が出てきている。

 スマートフォンのアプリ「Google翻訳」は、アプリを起動してスマホの画面に文字をかざすと、「Hello」の英語が「こんにちは」と瞬時に日本語に翻訳される。

 英語から日本語だけでなく、中国語やフランス語、イタリア語など多くの言語に対応している。このアプリにはAIが搭載されていて自動で学習するので、世界中で色々な人が使えば使うほど、どんどん翻訳の精度が上がっていくという。


■事故防止にもAI?

 東京オリンピックで車の数が増えると心配なのが交通事故だが、ここでもAIの活用が期待されている。

 例えばアメリカの電気自動車メーカー「テスラ・モーターズ」は、技術的には既に自動運転が可能になっているという。搭載されたカメラやレーダー、センサーなどで他の車や人の動きを検知し、車の周りでこれから何が起こるのかAIが予測している。

 将来的にはAIが解析した情報を使って、人間が操作しなくても車が自動で事故を避けられるようになるという。


■AIと共に

 ある専門家は「AIは人をアシストするものだ」と話していた。多くのデータを瞬時に処理できるAIの力をうまく利用し、私たちの暮らしをより安全で快適なものにできるか、2020年も視野に様々な試みが進められている。

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