豊洲問題“水面下交渉”の新たな資料も
東京・豊洲市場の移転問題について審議する都議会の百条委員会の証人喚問が11日から始まり、浜渦武生元副知事が行っていた交渉について、新たな資料が明らかになった。
証人喚問には、浜渦元副知事の元で東京ガスとの交渉に関わった大矢實元市場長らが出席した。大矢氏は2000年頃に浜渦元副知事が東京ガス側と行っていた土地取得交渉の具体的内容は「知らない」と証言した。
一方で、東京ガス側が百条委員会の要求に対し提出した資料で、2001年7月の時点で、汚染処理の範囲について合意した確認書があったことが新たに分かった。
都議会公明党・上野議員「(確認書には)市場用地内の汚染土壌の処理については、東京都の指導に基づき現在進めている拡散防止を目的として処理を行う、つまり土壌処理は東京都の指導に基づき対策を実施し、それが完了したら譲渡をすると書かれています」
これにより、その後に膨らんだ汚染対策費用について、東京ガスが負担を拒否する根拠になったとみられる。
また、いわゆる「水面下の交渉」について、浜渦元副知事が、「土壌問題が噴出すると都議会も業界も蜂の巣をつついたようになって豊洲移転問題が頓挫しては大変」とした上で、「土地の値下がりをカバーすべく石原知事の安全宣言で救済する」などと部下に発言していたことが明らかになった。
証人喚問はこれから東京ガスの元会長らへのほか、19日には浜渦元副知事に対し行われる。