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鼻風邪?実は…大人も注意「RSウイルス」

2017年9月18日 14:34
鼻風邪?実は…大人も注意「RSウイルス」

 先週、国立感染症研究所は乳幼児に肺炎などを引き起こす「RSウイルス」の患者数が3日までの1週間で急増し、調査以来最多になったと発表した。このRSウイルス、2歳になるまでにほぼ100%発症するといわれているが、実は大人や高齢者も注意が必要だ。

 そもそもRSウイルス感染症とはどんな病気なのか。

 専門家「年齢によっても違うんですけど、簡単だと鼻風邪くらい。さらに進んで来ると気管支炎とか肺炎とか、せきが息苦しくなって呼吸が早くなってきます」「インフルエンザのような飛まつだけでなく、ものを介してうつることがある」(川崎市健康安全研究所・岡部信彦所長)

 そのため、手洗いやうがいはもちろん。子どもが使ったおもちゃなどをアルコール消毒することも効果的だという。実は、この病気は幼少期には何度も発症する。

 専門家「幼稚園や保育園とか小学校に入るようになってくると、鼻風邪くらいで終わっちゃう。免疫が強くなるんですね。免疫のない1歳くらいまでの子どもは注意をしなくてはいけない」

 感染するごとに体内に免疫ができ、大人がかかっても鼻風邪程度で済むようになる。ところが、大人は軽いもので済むが、その大人が感染源となって、乳幼児にうつし、肺炎など重症化する可能性もある。さらに―

 専門家「高齢者でも、RSウイルス感染によって重症になる方がいることがわかってきた」「推測になりますけど、頑丈な免疫が、加齢と共に落ちてくる可能性がある」

 2014年には、茨城県の介護施設で、RSウイルスの集団感染が発生し、肺炎で2人が死亡した。ある介護施設では、消毒や清掃を専門に行う職員を採用し、手すりなどの共有部分から、100室を超える入居者の部屋も毎日アルコール消毒をしているという。また、3年前から秋冬のマスク着用を始め、昨年度は、感染症ゼロを達成したという。

 RSウイルスについて、専門家はこんなことも言っている。

 専門家「RSウイルスは子どもの病気、冬の病気であるというのがだんだん崩れてきている」

 実は、ワクチンや予防薬はなく、まだまだ研究者でも分からないことが多い病気だという。子どもや高齢者にうつさないためにも、手洗いなどを十分に行いたい。