無痛分娩、非無痛と死亡率の“差”なし
関西で無痛分娩による事故が相次いだ問題で、日本産婦人科医会は、「無痛分娩と無痛ではない分娩の死亡率に明らかな差はない」とする調査結果をまとめた。
日本産婦人科医会は、麻酔で出産の痛みを和らげる「無痛分娩」による事故の再発防止策を検討している厚生労働省の研究班の会議で、調査結果を報告した。
2010年からの6年間で、日本産婦人科医会に報告された妊婦の死亡例は277件で、そのうち14件が無痛分娩だったという。これをもとに推計すると、無痛分娩で死亡する妊婦は10万人あたり4.9人だとして、妊婦全体の3.9人と比べ、「無痛分娩とそうではない分娩での死亡率に明らかな差は認められない」と結論づけた。
また、全国約1400の分娩施設を対象に行った調査では、過去1年に無痛分娩で「ヒヤリハット」があったと答えたのは、無痛分娩を行っている施設の11%にあたる56施設で、「多量出血」など126件の報告があったという。
医会は、これらの事例についてさらに詳しい調査を行っているという。