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東京女子医大・元理事長を逮捕 「敵と認定すると排除」関係者が語る“独裁”の実態

2025年1月13日 20:50
東京女子医大・元理事長を逮捕 「敵と認定すると排除」関係者が語る“独裁”の実態

東京女子医科大学の元理事長の女が13日に背任の疑いで逮捕されました。関係者が元理事長の“独裁”体制の実態を語りました。

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かつて、大学の理事長と“同窓会のトップ”(東京女子医大「至誠会」元代表理事)を兼任し、東京女子医科大学の事実上のトップに君臨していた岩本絹子容疑者。当時の様子を知る人は、こう語ります。

東京女子医大の元医師
「いわゆる独裁。(周りに)イエスマンだけ並べて。一旦怒り出すと止まらない。自分が敵だと認定すると、とにかく排除する」

現在78歳。13日、目をつむり手で顔を隠しながら、警視庁へ入りました。

事件が起きたのは2018年から2020年。岩本容疑者が副理事長から理事長へ変わった頃のことです。警視庁によると、岩本容疑者は当時、新校舎の建設を理事会に提案し、その後、承認させたといいます。

そして、約1億2000万円もの大学のカネを建築士に、建築アドバイザー報酬として振り込ませたといいますが、実際にはアドバイスが行われた実態はなかったとみられ、大学に損害を与えた疑いが持たれているのです。そのカネの一部は、自身にも渡っていたとみられています。

事件発覚のきっかけは、2023年の卒業生らによる刑事告発でした。しかし、その頃、本人はこう語っています。

岩本絹子容疑者(2023年)
「私は自分なりに精いっぱい、この30年間やってまいりました。私は決して至誠会や女子医大を裏切るようなことは一切しておりませんので、それだけは申し上げておきます。何か損害を与えるというようなことは100%、200%ありえません」

疑惑をきっぱりと否定。ただ、今回の事件に加え、岩本容疑者を巡っては、代表理事を務めていた同窓会組織「至誠会」でも不正なカネを巡る疑惑があり、警視庁が捜査を続けていました。

大学側は半年ほど前、“岩本理事長”を解任。一連の疑惑について、調査を進めてきました。

東京女子医大 清水治理事長(13日)
「第三者委員会の言葉を借りて言うと(岩本容疑者の)金銭に対する非常に執着が感じられるという指摘。いろいろな権限が集中した上、自分のための利益を図ったり、あるいは学校全体としてみれば損害になるような行為が行われた(可能性)」

その時代は「岩本一強」体制だったと指摘。

東京女子医大 清水治理事長(13日)
「本学の基本理念である『至誠と愛』に1度立ち返って、組織の改善とか方策を全力で取り組んでいきたい」

警視庁は、カネの流れなどを詳しく調べる方針です。

最終更新日:2025年1月13日 20:50