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満開前の雨 お花見をするならいつ?

2018年3月20日 19:17
満開前の雨 お花見をするならいつ?

各地で桜の開花が伝えられるこの頃。21日は祝日なのに、雨の予報でお花見を見送ったという方もいるかもしれない。満開前の雨で、桜祭りはどうなるの? お花見をするならいつ? さらに、お花見にまつわるトリビアを紹介。


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■先人の知恵が生んだ「土手の桜」

川の土手に沿って続く桜並木。全国各地でよく見る光景だが、川沿いに桜が植えられたのには、ある先人の知恵があったという。それは、「防災の知恵」。京都大学防災研究所の矢守克也教授によると、昔の土手は、冬に地面の中の水分が凍って崩れやすくなっていたという。ところが、桜を植えておくと、春にたくさんの人が桜を見に来る。すると、花見客で土手が踏み固められる。崩れやすくなっていた土手が踏み固められたことで、その後、梅雨の時期を迎えて川が増水しても、土手が決壊しづらくなった、という。


■上野公園の桜ものがたり

全国にいくつもある有名な桜祭り。その中の一つ、東京・上野公園の「うえの桜まつり」には、去年、300万人以上の人々が訪れた。今年は21日から来月8日までの日程で行われるが、毎年、桜が咲くより少し前からおよそ3週間の期間を桜祭りの日程に設定するという。ところが、今年はすでに19日に、上野公園で開花宣言が出た。上野観光連盟の担当者は、「今年は予想外の開花で、本当に早かった」と驚いていた。開花が早いと散るのが早まって、客足にも影響が出てくる。

歴史をたどると、上野はおよそ400年前から「江戸随一の桜の名所」として多くの人に親しまれていた。しかし、第二次世界大戦で一度は全て焼け落ちてしまった。その後、上野に桜を取り戻そうと、地元の人たちがお金を出し合って桜1250本を植えて、これを記念して毎年、桜祭りが開催されるようになった。「うえの桜まつり」は今年で69回目になる。

その他、都内で有名な桜祭りのうち、隅田川の「墨堤さくらまつり」は17日にすでに始まっていて、期間は来月の10日まで。目黒川の「中目黒桜まつり」は、24日から来月10日まで開催されるという。


■都心のお花見、いつがベスト?

桜は、一般的には開花してから1週間から10日で満開になるといわれている。つまり、都心でお花見をするなら、今週末の24日、25日がベスト。来週末だと、都心ではお花見のピークを過ぎている可能性もある。

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土手の桜について教えてくれた京都大学の矢守教授は、「桜を楽しむことには地域の絆を深める効果もある」と話していた。地元の桜を話題に、普段話さない人と声を掛け合うこともあると思うが、こうしたことが災害など、いざという時に役立つこともあるという。今年のお花見では、そんなところも意識して楽しんでみてはいかがだろうか。