なぜ…淡水魚「ハクレン」大量死 住民は強烈なにおいに困惑 茨城
茨城県の土浦市などを流れる桜川で、淡水魚「ハクレン」の死骸が大量に見つかりました。いったいなぜ、大量死したのでしょうか。
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茨城県土浦市で30日、川で業者が回収していたのは、中国原産の淡水魚「ハクレン」の死骸です。
大量のハクレンの死骸が浮いていたのは、土浦市やつくば市を流れる桜川です。県によると今月24日以降、約10キロにわたりハクレンの死骸が確認されているといいます。
この川では先月、ハクレンが産卵の時期特有の大ジャンプをしていましたが、30日にその様子はなく大量に浮いていました。
この状況に県は、先週から川にフェンスを設置し回収を始めましたが、作業は難航。1匹1匹拾い上げていました。ハクレンは大きいもので1メートルはあるといいます。
回収業者
「重いんですよ。4キロ以上あるから」
重さだけではなく、大変なのはその量です。
回収業者
「もう何千匹だね、何万だね、何万匹。(トラック)4トン車や3トン車で何回も運んでるから」
中でも一番大変だというのが、生臭い強烈なにおいです。付近を漂う悪臭に住民も困惑していました。
近くの住人
「いつもより川のにおいがひどいので、なんだろうと思ってたら、えっ! みたいな」
「土浦に住んで何十年だろ、こんなの初めて。いままでこんなのなかったよ」
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いったいなぜ、ハクレンが大量死したのでしょうか。異変に気づいたのは、この川で漁業を営む組合です。
桜川漁業協同組合 鈴木清次組合長
「水がなくなっちゃったから、流れなくなった。地獄だよ、こんなの」
今月24日、川の上流にある「せき」では田んぼに水を引くため流れを止めていたといいます。新治土地改良区によると、田んぼの維持管理のためには必要な作業だということですが、下流側では川の水位が低下したということです。
ハクレンの死因について、県は水質に問題はなく、水位が低下したことで大量に死んだのではないかと判断しています。
ハクレンを飼育する水族館は、次のように指摘しています。
栃木県なかがわ水遊園 展示担当・小林直人さん
「水位が下がったことにより水の総量が減るので、中にいる魚の量が同じであると、水が含める酸素の量が少なくなってしまうので、それが原因となって酸欠になっている可能性が大きい」
県によると、ハクレンの回収作業は今週中には終える見込みだということです。