有害物質流出で魚大量死 製鉄所が水質調査結果を“虚偽”報告
6月に千葉県君津市にある製鉄所から有害物質が川に流れ出て魚が大量死した問題で、千葉県は18日、製鉄所が水質調査の結果について、実際より低い数値を県に報告していたことを明らかにしました。
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18日午後、日本製鉄・東日本製鉄所が会見を開きました。
日本製鉄・東日本製鉄所 谷潤一所長
「排水に関わる水質測定データを総点検したところ、測定データについて不適切な扱いがあったことが判明いたしました。誠に申し訳ございません」
日本製鉄をめぐっては、6月に千葉県君津市にある東日本製鉄所から有害物質などが近くの川などに流出、その影響で魚が大量死する事態となっていました。
地元住民らが撮影した動画や写真では、水面が赤茶色に変色したのが分かります。市が確認したところ、製鉄所の近くの水路およそ2.7キロが赤茶に染まる事態になっていたのです。
日本製鉄は当時、製鉄所内のタンクに穴があき、敷地内に化学物質を含む液体が漏れ出し、翌日に排水口から近くの水路や川に流れ出たと説明していました。
18日、再び現場に行ってみると、水の変色や魚の死がいなどはみられませんでした。
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千葉県は日本製鉄に対し排水口などを総点検するよう指示。その調査結果について、18日、千葉県は…
千葉県環境生活部水質保全課 市原泰幸課長
「これまで県等に報告されてきた分析の数値よりも高い測定結果の値が別に存在したにもかかわらず、県への報告がなされていなかった」
排水の水質調査で基準値を上回る濃度が出ていたにもかかわらず、実際より低い数値を千葉県に報告したことが分かったのです。
この理由について日本製鉄は…
日本製鉄・東日本製鉄所 高松委利明副所長
「複数、現場でデータをとっておりまして、その中で本来であれば一番高い数値をその日のデータとして公表すべきでございましたが、こちらができていなかった」
千葉県は18日から立ち入り検査を実施し、事実関係の確認を行っているということです。