復活へ!不破聖衣来「走れることがすごくうれしい。世界の大舞台にも立ちたい」世界選手権は現地で観戦
久しぶりに会った記者に、はにかみながら答えた拓殖大学2年、不破聖衣来(ふわ・せいら)選手。
1年生の去年、スーパールーキーとして数々の記録を打ち立て陸上界を席巻した不破選手ですが、今年はケガに悩まされ、5月の日本選手権10000mを欠場。目標にしていた世界選手権出場もかないませんでした。
それでも世界のトップアスリートの走りを実際に肌で感じようと、指導する拓殖大学の五十嵐利治監督と共にアメリカへ行き、世界選手権をスタジアムで観戦。
あと一歩出場に届かなかった大舞台で何を感じたか聞くと、不破選手は目を輝かせながら答えてくれました。
――生で観戦した世界選手権はどうでしたか?
「会場の盛り上がりがすごかったです!力やスピードも直接感じることができて、もし自分が絶好調で出ていたとしても今の力だったら出るだけで終わってしまうなって思いました。自分の力が足りないと強く感じたので、もっともっと練習をして力をつけていきたいです」
――印象に残ったシーンや選手は?
「女子10000mのラスト一周のスパート合戦です。最後の最後まで誰が優勝するかわからない競り合いがあったので、すごく衝撃でした。選手ではハッサン選手(オランダ)がすごかったです。今回は4位でしたが、集団の後ろにいても前の集団が動くと、すぐに対応してレースを展開していました。ラスト1周になっても仕掛けていなかったのでどこでいくんだろうってずっとドキドキしながら見ていました。廣中璃梨佳選手も最初から積極的にいっているのがすごく印象的で、あの大舞台で自己新記録も更新されていて、本当に強い選手だなと思いました」
――廣中選手は、不破選手の記録を抜いて日本歴代2位のタイム(30分39秒71)
「自分のタイム(30分45秒21)を抜かれてしまったんですけど、悔しいという気持ちよりは、自分ももっと上の記録を出したいっていう気持ちの方が強かったです」
――いつかあの大舞台に、という気持ちも?
「今年の世界選手権を狙っていたので、この舞台に立ちたかった思いはあるんですけど、立てなかったのは自分の実力です。そこは次の目標に向けて、自分の糧にしようって、そういう気持ちで観戦していました。自分も早くあの舞台に立てるように頑張りたいです。直接見る前までは、早く世界の舞台で自分を試したい、世界でも上位にいきたいって考えていたんですけど、直接見たらすごく力の差を痛感しました。しっかり準備して、ちゃんと戦えるレベルになって、ちゃんと勝負したいです」
現在は痛みもなく練習を行っているという不破選手。取材を行った7月20日の練習でも、クロスカントリーコースを使った12km走をペースを落とすことなく走り切りました。復帰レースは9月の日本インカレ(京都)を予定しています。
「去年と比べるとまだ半分もいかないぐらいの調子なんですけど、今は痛みなく走れていることがすごくうれしいです。ケガなくってことを第一に練習を積んで、日本インカレに向けて調子を上げていきたいと思います。応援してくれる方々には個人選手権や日本選手権で残念な思いをさせちゃったなって思っているので、しっかり元気に走ってる姿を見せられるように、それでいい結果がついてくればいいなって思っています」