“衝撃デビュー”バスケ男子日本代表の新鋭・富永啓生 ホーバスHCも八村塁や渡邊雄太との共演に期待
7月、初冬のオーストラリア・メルボルンで行われたバスケットボールW杯アジア予選。開催国枠ですでにW杯出場権を獲得している日本代表(世界ランキング38位)は、1日にオーストラリア(同3位)、3日に台湾(同69位)と対戦しました。
今回、日本テレビからは2月の北京五輪以来、スポーツ取材で初めて海外へディレクターを派遣。熱戦の様子を現地で取材しました。
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7月1日に行われたオーストラリア戦。日の丸をまっすぐに見つめ、「君が代」を感慨深げに聞き入る選手がいました。この日、日本代表デビューを果たした21歳の富永啓生選手です。
東京五輪では3×3の日本代表で、現在はアメリカ最高峰の大学リーグ、ネブラスカ大学でプレー。NBA入りを虎視眈々と狙っているホーバスJAPAN期待の新戦力です。
富永選手は、第1Q残り5分半を切ったところでコートに送り出されると、ホーバスHCが求める積極的な3ポイントシュートで日本の攻撃をけん引。試合は52-98で敗れたものの、5本の3ポイントシュートを成功させ、両チーム最多となる18得点を記録しました。
試合後、トム・ホーバスHCは富永選手について「『緊張するんですか?』と聞いても『全然緊張しない』って。自信を持っていますよ。彼(富永)と(八村)塁と(渡邊)雄太が一緒にプレーするとおもしろいかなと思います」と話し、ホーバスJAPANの中心選手である八村塁選手や渡邊雄太選手との共演に期待を寄せました。
ホーバスHCの称賛を、恥じらいながらも嬉しそうに噛みしめていた富永選手は、「やっとこの舞台に立てたな、という思いがあった。ここからもっと日本代表を強くしていけたらなと思います」と更なる活躍を誓いました。
ホーバスHC率いる男子日本代表は、12日から始まる「FIBAアジアカップ2022」に出場します。12名の代表選手の中にまたしても名を連ねている富永選手。再び存在感を示せるのか、引き続き注目したいと思います。
以下、試合後の富永啓生選手インタビュー
◆オーストラリア戦(7月1日)
――代表デビュー戦を振り返ってください
最初の出だしのところは決めたい気持ちが強まりすぎて、1対1からのタフなショットとか、自分がいつもはやらないプレーをやってしまって、タイムアウトでコーチから「いつも通りのことをやっていればそのうち自分に回ってくるから」という話をしてもらいました。そこでノーマークになったときに自分のショットを打って自分の流れが掴めていったと思いますし、初戦の相手がオーストラリアでなかなか厳しいゲームになりましたけど、本当にいい経験だと思いますし、この結果を受け止めて自分たちは練習していかないといけない。いい収穫ができた試合だったと思います。
――日の丸を聞いた瞬間、コートに立った瞬間などどんな思いでしたか?
U18以来の5対5の代表ということで、やっとこの舞台に立てたなという思いもありましたし、ここからもっともっと日本を強くしていけたら、という思いもありました。
――通用したプレーと通用しなかったプレーは?
練習でやっていたジャンプストップが、相手のフィジカルに押されてタフなショットになってしまったのでフィジカルをつけてやっていかないといけないな、というところで、3ポイントに関してはいつも通り打てたので良かったかなと思います。
――明後日(3日)の台湾戦に向けては?
メンタルで負けずに自分たちが練習してきた通りのバスケットを見せられたらいいなと思います。
――日本のファンに向けてメッセージをお願いします
今日は日本のバスケが見せられなかったんですけど、次の台湾戦はチーム一丸となって声を出して日本らしいバスケットができるように頑張ります。
◆台湾戦(7月3日)
――試合を振り返ってください
いつも練習で自分たちがやってきた通りのバスケットができて、大差で勝つことができてよかったです。
――チームトップの17得点については?
自分の任された役割を果たしただけだと思いますし、チームメートも自分を生かしてくれたのが得点に繋がったのだと思います。
――コートに立っていないときもベンチにいるときもチームを鼓舞する様子が印象的でした。この試合にかける意気込みは強かった?
前回の試合で大差で負けて悔しい思いをして、今日はなんとしても自分たちのバスケをして勝利することを意識していたので、コートにいるときもいないときも声を出すことは意識していました。
――来月も試合があり、1年後にはW杯。今後に向けて一言お願いします。
これからももっともっと日本のバスケットを強くできるように、毎日毎日しっかり練習して頑張っていきたいと思います。