バスケットボール男子日本代表・佐藤卓磨 自身が制作した絵本に込めた思い「みんな神様からの贈り物が必ずあるよ」
6月、都内の保育所を訪れたのはプロバスケットボールプレーヤーの佐藤卓磨選手です。
身長は197cm。子どもを天井スレスレまで抱き上げたり、大きく分厚い手でハイタッチしたり、コート上では見られない優しい表情で子どもたちと触れ合いました。
この日、佐藤選手が保育所に訪れた目的は、自身が制作した絵本の読み聞かせ。
「さく・さとうたくま」と書かれた絵本のタイトルは『ぼくはキリン』です。
主人公・キリンくんがバスケットボールと出会い、自分の魅力に気づいていく成長の物語です。
佐藤選手はスリーポイントシュートを武器に、所属チームであるBリーグ・千葉ジェッツの東地区優勝に貢献。7月1日から行われるワールドカップアジア予選の日本代表にも選ばれました。
今回、絵本作りに挑戦した理由について佐藤選手は「あるプロバスケ選手の方から『バスケうまくなるよ』と言われて、その一言で『俺はうまくなるんだ』と感じることができた。次の世代の子どもたちに、どんな形でも何か伝えたい」と語りました。
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絵本『ぼくはキリン』
さく・さとうたくま
動物たちが毎日いろいろな遊びに夢中になる中、ポツンとさみしそうにしているキリンくん。
長い首のせいで縄跳びにひっかかったり、リレーではバトンを渡せなかったり、いつも失敗ばかり。自分に自信を持てずにいました。
そんなキリンくんに、あるとき転機が訪れます。チンパンジーくんに誘われ、バスケットボールに出会います。
試合に出てみたものの、どうすればいいか分からないキリンくん。そこで、チンパンジーくんから「キミの長い首を生かすんだ!」とアドバイスをもらいました。
すると、キリンくんは相手のシュートを見事ブロック。さらにキリンくんの長い首に乗ったチンパンジーくんがダンクシュート。
大活躍のキリンくんは、長い首が自分の強みになることを知りました。自信を持ったキリンくんは「ぼくはキリン!」と胸を張って言いました。
そして、キリンくんはかつての自分のようにポツンとしているシマウマくんに「大丈夫。みんな神様からの贈り物が必ずあるよ」と声をかけました。
「人生いろいろなことがあって、きつい時もあればいい時もあるけど、自分の強みは絶対にあるから、神様からもらったものが絶対にあるから、それを見つけてほしい」という思いを、この絵本に込めたという佐藤選手。
バスケットボール選手として、来年8月のワールドカップ出場を目指し、7月1日から始まるアジア予選でアピールを狙います。
【バスケットボール男子代表 W杯アジア地区予選】
7月1日(金)オーストラリア戦@オーストラリア
7月3日(日)台湾戦@オーストラリア