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中村獅童「勘三郎兄さんができなかったことをやりたい」恩人への思いと自身の夢を語る

2022年6月20日 16:19
中村獅童「勘三郎兄さんができなかったことをやりたい」恩人への思いと自身の夢を語る
恩人である十八代目・中村勘三郎さんへの思いを語る中村獅童さん
歌舞伎俳優の中村獅童さんがこれまでの歌舞伎人生を振り返り、恩人である十八代目・中村勘三郎さんへの思いを19日放送の『おしゃれクリップ』で明かしました。

道なき道を切り開き、歌舞伎俳優になったという獅童さん。「幼少の頃に(父は)歌舞伎を廃業して、普通の会社勤めですから。(歌舞伎の)血筋っていうんですかね、そういう家には一応生まれてるんですけど。僕が急に(歌舞伎を)やりたいって言い出したもんだから」と、父である初代・中村獅童さんに歌舞伎を志すことを伝えた当時を振り返りました。

歌舞伎俳優としての後ろ盾がない中、名をあげるのになりふり構っていられず焦っていたという獅童さんですが、2000年に中村勘三郎さんから重要な役に抜てきされました。それは歌舞伎の世界で苦節十数年、ようやくつかみ取った大役だったといいます。

役と向き合う獅童さんを見た勘三郎さんが「獅童の“辰五郎”が大変素晴らしいんだよ。獅童を選んでよかった」と、泣きながら八代目・中村芝翫さん(当時は橋之助)に電話をかけていたというエピソードが紹介されると、獅童さんは「勘三郎兄さんの思い出っていうのはもう数え切れないほどあって。“獅童、飲みに行って酔っぱらったらこんなに面白いんだから、芝居でもその自分を出していいんだよ。やってごらんよ”って言ってくださったんですよね。そこからですよね、吹っ切れたのが。その中での抜てきだったんで、一生忘れることはできないです」と、胸の内を明かしました。

さらに「勘三郎兄さんとか、やっぱり自分の父とか、僕を生んでくれた母とか、いろんな方に恩返しできたらなって思いますよね」と、今の思いを告白しました。

「思い出しました、いろんなことをね」と、思いにふける獅童さん。「伝統を守りつつ革新を追求するっていうのが自分の生き方だと思ってるんですけど。今年50歳なんで、死ぬまでの間に、どれだけのことができるかわからないですけど、大きなことを言わせていただくのであれば“勘三郎兄さんができなかったこと”を僕はやりたいと思うし、それが一番の恩返しだと思ってる」と、熱い思いを明かしました。