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「交通事故なくしたい」笑顔を運ぶトラック

2018年9月27日 14:21
「交通事故なくしたい」笑顔を運ぶトラック

トラックの荷台に、子どもたちのイラストが描かれた「笑顔を運ぶトラック」がある。「交通事故をなくしたい」という願いが込められたプロジェクト。そこには特別な思いがあった。

大阪・万博記念公園にずらりと並んだトラックの荷台に描かれているのは、交通安全を願うメッセージ。描いたのは子どもたちだ。

仕掛け人は、大阪の宮田運輸の宮田博文さん。きっかけは5年前に起こった“ある不幸な出来事”だった。宮田さんはこう語る。

「私どものトラックとバイクが接触したと」

バイクの男性は死亡。そして、男性の父親は宮田さんにこう告げた。

「息子に小学4年生の娘がいることだけはわかっておいてくれへんか」

失われた命に対して、どう償うべきか…自問自答の日々だった。そんな時、別の社員のドライバーの運転席にあった、“あるもの”に目が釘付けになった。

それは、ドライバーの娘が描いた絵だった。娘から「あんぜんうんてんでがんばってね」というメッセージも添えられていた。宮田さんはこう話す。

「子どもの絵とメッセージは、本当にどんな人の心にも届く」

子どもたちが描く絵をトラックにのせることで、安全運転の大切さを伝える。それが宮田さんの出した答えだった。

今年、この取り組みを広く知ってもらおうとフェスティバルを開催した。子どもたちの絵が展示された会場に来ていたのは、あの事故の遺族だった。遺族は心境をこう話していた。

「(加害者も被害者も)不幸になったらダメだから…どちらも幸せになってほしい。ウチは今、幸せなんですよ。だからその分、相手さんのことが気になってね。これからが長い道のりですけど、でもね、うれしい道のりですね」

賛同する企業は年々増え、現在では全国で70社。トラックの数は200台を超えた。


【the SOCIAL viewより】

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