東京五輪・パラ 国の支出8000億円超
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに関連する国の支出が、昨年度までに8000億円を超えたことが、会計検査院の調べでわかった。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の試算では、大会経費の総額は1兆3500億円とされ、大部分は、スポンサーからの協賛金やチケットの売り上げ、東京都の予算などでまかない、国が負担するのは、新国立競技場の整備費とパラリンピックの経費のみで1500億円となっている。
しかし、会計検査院が調べたところ、招致が決まった2013年度から昨年度までに、国の省庁が大会関連として行った事業は286あり、使われた金額がおよそ8011億円にのぼることがわかった。
中には予算の効果が十分でないものもあり、文部科学省による「メダル獲得へ向けた競技用具の研究開発」のうち、13件の研究が、合計およそ1億6000万円投入されたものの、すでに中止されたという。
また、地方自治体が、事前合宿の誘致などを通じて参加国と交流する「ホストタウン事業」では、実際に実施されなかった事業168件におよそ1億2800万円の予算がつけられたという。
このほかには、暑さ対策、道路の整備、セキュリティーの確保といった大会運営に直結するもののほか、電気自動車や家庭用燃料電池(エネファーム)の購入補助金など、大会運営に直結しないものも含まれている。
会計検査院は、「今後も多額の支出が見込まれる」として、政府に対して「大会の準備、運営などに特に資すると認められる業務については、各省庁から情報を集約して、経費の規模の全体像を対外的に示すこと」を検討するよう求めた。