【時系列でわかる②】津波注意報がすべて解除(1月2日まで)
1月1日夕方、石川県志賀町で震度7を観測する大きな地震がありました。輪島港では1m20センチ以上の津波が観測されたほか、日本海の広い範囲に津波が到達しました。地震発生からの動きを、時系列でまとめました。
(※情報は随時、更新します)
これまで▶1月1日の動きをみる
【2日 0:05】7階建てビル倒壊…2人が閉じ込められ救助活動中
石川・輪島市内にある7階建てのビルが倒壊し2人が中に閉じ込められているということで、現在、救助活動が行われているということです。閉じ込められている2人の詳しい情報はまだ入っていないということです。
一方、輪島市役所によりますと、現時点で避難所は20か所以上開設しているということですが、電話が通じない地域もあり、避難している全体の人数などは把握できていないということです。
宮内庁によりますと、「天皇皇后両陛下は今回の地震による被害の状況に心を痛めておられ、そのようなお気持ちを踏まえて、中止を決定した」ということです。
また、「両陛下は、現地の寒さが厳しい中で、人命の救助や消火活動が一刻も早く進むことを願っておられる」ということです。
今年の新年一般参賀は、4年ぶりに事前の申し込みによる抽選がない形に戻され、天皇皇后両陛下はじめ上皇ご夫妻や皇族方が宮殿のベランダに並び、天皇陛下がお言葉を述べられる予定でした。
一日で合わせて5回行われる予定でしたが、一般参賀の中止は、新型コロナウイルスの感染拡大による2020年(令和2年)の天皇誕生日一般参賀以来となります。
1日午後4時10分ごろ、石川県志賀町では最大震度7の地震がありました。この地震により、県内では3人の死亡が確認されています。
能登には一時、大津波警報が出され、輪島港では1.2メートル以上の津波が観測されました。現在も県内全域に津波警報が発表されています。
また、大規模な火事も発生しています。消防によりますと、輪島市河井町1丁目で火災が発生し、現在、消防による消火活動が行われていますが、いまも大規模な延焼が続いています。
家屋の倒壊などにより七尾市では2人、志賀町では男性1人の死亡が確認されています。
各地の自治体や消防などによりますと、志賀町、珠洲市、輪島市などでは複数の家屋が倒壊しているほか、輪島市内では下敷きや閉じ込めでおよそ50件の通報が入っているということです。
新潟県内では現在も沿岸部に津波警報が発表されています。また、90歳の女性が地震によるショックで心肺停止、15人がケガなどを訴えています。
【2日 1:02】石川県内では298か所に避難所開設 約1万6500人が避難
石川県など各自治体によりますと、県内では1日午後10時半現在、確認されているだけで298か所に避難所が開設され、およそ1万6500人が避難しているということです。
1227人が避難している中能登町では、8か所の避難所のうち4か所は空き状況に余裕がなくなっているということです。
最大震度5強を観測した石川県・金沢市の金沢市役所災害対策本部によりますと、金沢市内では1日午後8時半時点で、101か所の避難所におよそ1万300人が避難をしているということです。現時点でケガ人などは確認されていません。
市内では複数の小中学校で断水や天井の一部が落ちたり、建物にひび割れなどの被害が確認されています。また、道路の隆起や陥没などにより数か所で水漏れの発生が確認されているということです。
地震による家屋の倒壊は確認されていませんが、崖崩れが起きて建物に被害が出たとの情報がよせられています。
気象庁は石川県能登地方に一時、大津波警報を発表しましたが、1日午後8時30分に津波警報に切り替えていました。そして、山形県、新潟県、富山県、石川県、福井県、兵庫県に発表していた津波警報は2日午前1時15分に、すべて津波注意報に切り替えました。
【2日 3:29】石川・志賀町で震度4
気象庁によると、2日午前3時29分ごろ、地震があった。震源地は石川県能登地方。震源の深さはごく浅い。地震の規模を示すマグニチュードは4.0と推定。震度4を観測したのは、志賀町。
この約1時間後の、午前4時42分にも地震があり、志賀町では再び震度4を観測した。
石川県能登地方を震源とする地震が発生したことを受け、アメリカのバイデン大統領は1日、日本に対し、あらゆる支援を行う用意があると表明しました。
バイデン大統領は1日、声明を発表し「恐ろしい地震の影響を受けた日本の人々のために祈っている」と述べました。
その上で、「アメリカは日本の人々が必要とするあらゆる支援を提供する用意がある」と表明しました。
バイデン大統領はまた、「緊密な同盟国として、アメリカと日本は国民を結びつける深い友情の絆を共有している」「この困難な時期に、我々の思いは日本の人々と共にある」と強調しました。
最大震度7の大地震から一夜あけた石川・輪島市では、中心部・朝市通りの周辺で発生した火災は地震から14時間以上たった現在も、燃え続けていました。道路が陥没するなどして、消防車が近づけない状況となっていました。
この地震により、家屋の倒壊などで七尾市、輪島市、羽咋市、志賀町であわせて5人の死亡が確認されています。県などによりますと、建物が崩れたり、火災などで多数のケガ人が出ているということです。
また、断水なども相次いでいます。
震度7を観測した志賀町を含む10市7町には、国と県が費用を出し、建物の復旧などを行う災害救助法の適用が決定されました。
【2日 7:09】北陸新幹線の一部区間などで運転見合わせ 空の便欠航も
JR東日本によりますと、地震の影響で運転を見合わせている北陸新幹線の長野-金沢駅間と、上越新幹線の越後湯沢-新潟駅間は設備の点検のため2日午前中も運転を見合わせます。
航空各社によりますと、全日空では2日、石川県の能登空港を発着する全便のほか、石川県の小松空港や新潟県の新潟空港などを発着する合計8便の欠航が決まっています。また、日本航空でも朝一番の小松-羽田便が欠航するということです。
地元消防によりますと、50棟以上が焼けたとみられていて、輪島市河井町の火災については鎮火したということです。
また、倒壊したビルの下敷きとなった、10代の男性1人の死亡が確認されています。輪島市によると、市立輪島病院に搬送された人だけでも、死者7人、重傷7人が確認されていて、生き埋めになっている人が多数いるということです。
倒壊した建物の件数は不明ですが、家屋が倒壊しているという趣旨の通報が多数入っているということです。
石川県からの災害派遣要請を受け、自衛隊はおよそ1000人体制で救助活動などに臨んでいます。防衛省によりますと、輪島分屯基地の隊員が倒壊したビルから要救助者3人を救助しているということです。
【2日 9:52】能登空港が4日まで閉鎖 ひびが4~5か所
国土交通省によりますと、能登空港は、4日まで閉鎖するということです。滑走路には、深さおよそ10センチ・長さ10メートル以上のひびが4~5か所確認されているということです。
1日夕方、石川県で最大震度7を観測した大きな地震で気象庁は北海道から九州地方にかけての広い範囲に津波注意報を発表していましたが、2日午前10時にすべて解除しました。
日本海側の沿岸では、若干の海面変動のおそれがありますが、被害の心配はないということです。ただ今後1日程度は海面変動が継続する可能性が高いと考えられ、海に入っての作業や釣りなどは十分に注意してほしいと呼びかけています。
岸田首相は、首相官邸で開かれた第一回の非常災害対策本部で「これまでに多数の人的被害・建物崩壊・火災など非常に大規模な被害が確認されている」「政府の総力を挙げて被害状況の把握と初動対処に当たっている」とした上で、現地での最大限の対応を行うため石川県に古賀内閣府副大臣をトップとする非常災害現地対策本部を設置したことを明らかにしました。
また、岸田首相は「被災者の救命救助は時間との勝負で特に建物倒壊による被害者は一刻も早く救出する必要がある」と述べ、住民の安全確保を最優先に救命、救助活動に全力を尽くすよう指示しました。
さらに、各省庁に対しては食料、毛布、燃料などの必要な物資の確保、医療行為の提供や電力水道等のインフラの普及など、プッシュ型の支援も活用した先手先手の被災者支援を要請しました。
【2日 11:33】石川で1m30センチの地殻変動 国土地理院が発表
1日夕方、石川県能登地方で最大震度7の揺れを観測した地震で、国土地理院は、石川県輪島市の観測点が西におよそ1メートル30センチ動くなど、大規模な地殻変動が発生したと発表しました。
国土地理院が行っている衛星を使って位置を測定する観測によりますと、この地震によって、石川県では大きな地殻変動が観測されたということです。
震源に近い輪島市に設置している「電子基準点」が西方向におよそ1メートル30センチ移動したほか、穴水では西方向におよそ1メートル、珠洲市でも西方向におよそ80センチ動いたということです。
国土地理院によりますと、2011年の東日本大震災では、宮城県の牡鹿(おじか)半島周辺の観測点で、水平方向に5メートルを超える地殻変動がおきました。
【2日 12:08】石川県内…23人以上の死亡確認 被害が徐々に明らかに
最大震度7の大地震から一夜あけた石川県内では被害状況が徐々に明らかになっています。県内では23人以上の死亡が確認されています。
大規模な火災が発生していた輪島朝市通り近くの輪島市河井町では住宅などおよそ200棟が全焼したということです。また、能登町でもおよそ20棟を焼く火災が発生しました。
県や自治体などによりますと輪島市、七尾市、羽咋市、志賀町であわせて23人以上の死亡が確認されています。
能登半島地震で道路が分断されている影響で、石川県の能登空港におよそ500人が取り残されていることが分かりました。
国土交通省によりますと、石川・輪島市にある能登空港に空港利用者や職員、地元住民などおよそ500人が孤立状態にあるということです。空港へ向かう道路が分断されているため、避難用の車両が入っていけないということです。
ターミナルビルは、被害状況を確認し使用することは可能ですが、天井がはがれたり窓ガラスが割れるなどして危険なため、取り残されている人は駐車場に待機しているということです。
最大震度7の大地震から一夜明けた石川県内では被害状況が徐々に明らかになっています。県内では30人の死亡が確認されています。
県や自治体などによりますと、輪島市、七尾市、珠洲市、羽咋市、志賀町、穴水町であわせて30人以上の死亡が確認されています。珠洲市や輪島市など能登の地域を中心に130軒以上の家屋が倒壊しています。
また、輪島市で生き埋めが14件、珠洲市などでは大規模な土砂崩れのほか、各地で道路の陥没、また、多数のケガ人が出ているということです。
【2日 14:38】上越新幹線、全線で運転を再開
JR東日本によりますと、運行を見合わせていた上越新幹線は全線で運転を再開しました。運転を見合わせていた越後湯沢~新潟駅間では下り列車に続いて、2日午後2時38分に上りの臨時列車が新潟駅を出発し、これで全線運転再開となりました。
運転を見合わせていた北陸新幹線が全線で運転を再開しました。北陸新幹線では地震の後金沢-長野駅間で運転を見合わせていました。2日午前10時半ごろ、金沢-富山駅間で運転を再開したのに続き、午後3時すぎに富山-長野駅間でも上り列車が運転を再開し、午後3時20分ごろ、下り列車も運転を再開しました。これで北陸新幹線は全線運転再開となりました。
【2日 17:13】石川・志賀町で震度5強
気象庁によると、2日午後5時13分ごろ、地震があった。震源地は能登半島沖で、震源の深さは10キロ。地震の規模を示すマグニチュードは4.6と推定。この地震による津波の心配ないということです。
震度5強を観測したのは、志賀町でした。
【2日 18:37】石川・富山県境の国道 100メートルにわたり崩落
富山県小矢部市の国道359号では、地震の影響で道路が大きく崩落。この日は警察と消防がドローンで被害の状況を調べていました。
【2日 23:00】石川県内の死者数57人に
石川県が2日午後11時から第5回の災害対策本部会議を開き、現時点で県が把握している県内の被害状況を明らかにしました。
県によりますと、輪島市と珠洲市、能登町で新たな犠牲者が確認され、県内の死者数は57人、重傷者は22人となりました。
家屋の倒壊も輪島市や珠洲市、能登町など数を把握しきれないほどの被害となっていて、その他の市町で倒壊家屋や道路陥没などの情報が多数寄せられているということです。
政府の地震調査委員会は、1日に石川県能登地方で発生した最大震度7の地震をうけて臨時の会合を開き、今回の地震の震源断層は150キロにもおよび、これまで知られている活断層が動いたことによる地震ではないという見方を示しました。
石川県能登地方で1日、最大震度7の揺れを観測したマグニチュード7.6の地震をうけて、政府の地震調査委員会は2日、臨時の会合を開き、その発生要因やメカニズムについて研究機関のデータをもとに議論を行いました。
その中で、国土地理院は人工衛星「だいち2号」で陸域の動きを観測したところ、石川県輪島市の西部で、最大4メートル程度の隆起と、最大1メートル程度の西向きの地殻変動がみられたということです。
さらに、地殻変動の観測データなどから分析した結果、1日の地震によって北東から南西方向に延びる長さ150キロ程度にわたって断層が破壊されたと推定されることがわかりました。
また、今回の地震は震源の位置などから、石川県能登地方で2020年12月から続く群発地震活動のひとつと評価しました。地震調査委員会の委員長で東京大学の平田直名誉教授は、一連の地震活動は地下深部の「流体」が関与している可能性が高いという見方をしていますが、今回の地震と「流体」の直接的な関連はわからないと説明しました。
また、現時点では「これまでに知られている活断層が動いたものではない」との見方を示しています。
一方、能登地方で続く群発地震の活動領域はこれまで能登半島の北東部が中心でしたが、1日の地震以降、能登半島のほぼ全域に広がっています。
このため、これまで地震活動が活発でなかった地域でも、規模の大きな地震が発生する可能性があり、海底で大地震が発生した場合には再び津波がおこる可能性もあるとして、強い揺れと津波に引き続き注意してほしいということです。
能登地方では強い揺れを伴う地震が頻発していますが、気象庁によりますと、1日から2日午後4時までに震度1以上を観測した地震回数は198回にのぼっているということです。
去年5月、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.5、最大震度6強の揺れを観測した地震発生以降も余震が続き、地震発生前の状態に戻るまでおよそ3か月かかりました。こうしたことから、地震調査委員会は今後、少なくとも数か月は地震活動が活発な状態が続くとして、注意を呼びかけています。